緊急避妊薬(アフターピル)の分類を『処方箋医薬品以外の医薬品』に変更し、薬剤師が提供できるようにしてください

緊急避妊薬(アフターピル)の分類を『処方箋医薬品以外の医薬品』に変更し、薬剤師が提供できるようにしてください

開始日
2019年6月5日
署名の宛先
厚生労働省
現在の賛同数:4,293次の目標:5,000
声を届けよう

この署名で変えたいこと

署名の発信者 日本の医療・薬事制度について考える会

避妊の失敗・無防備な性交の後に服用し、妊娠する確率を下げる「緊急避妊薬(アフターピル)」は、すでに多くの国で市販薬(OTC)として販売されています。

日本では今も、医師(主に産婦人科医)に処方してもらう必要があります。なるべく早く服用すべき医薬品であるにも関わらず、地理的・時間的・金銭的なハードルが緊急避妊薬へのアクセスを妨げています。

 

 

緊急避妊薬を市販薬にできるか検討した厚生労働省の会議では、

『医療機関では薬の交付時に性教育を行えるが、その機会が失われる』

などの指摘があり、市販薬化は見送られました。

 

もし市販薬にするのであれば、との問いに対して、日本産科婦人科学会からは

「OTCではなく、BPC(Behind the pharmacy Counter)とすべき」
※BPC:薬剤師が直接管理・保管し、販売時には薬剤師によるコンサルティングを要する薬

との意見が提出されています。

 

学校教育だけではなく、生涯にわたって性教育・学習の機会が保障される必要があることは、国際的には常識です。産婦人科医や看護師、助産師など医療者との面談は、その重要な機会の一つであり、避妊や性感染症予防を含む知識・ケアが提供されています。

 

日本では、市販薬を「医師にかからず購入できる安全な薬」として規制緩和し、市場に委ねています。市販薬を買うという行為を「学習・相談の機会」だと認識することは、多くの人々にとって簡単なことではありません。

実際に、薬剤師から購入する必要がある市販薬「要指導医薬品」「第一類医薬品」であっても、「病院に行かず、自分で治せる」といったニュアンスで広告・宣伝されています。
諸外国で活用されるBPC医薬品には相当しません。

 

 

主に病院などで処方される「医療用医薬品」には、「処方箋医薬品」と「処方箋医薬品以外の医薬品」の二つの分類があります。
処方箋医薬品は医師による処方が必須ですが、「処方箋医薬品以外の医薬品」は、市販薬で対応できず、また病院を受診することもできないなど合理的な理由がある場合には、必要な状況聴取・助言といった介入のうえ、処方箋なしで薬剤師が選定し、提供することができます。

日本の医薬品分類でBPC医薬品に相当するのは、「処方箋医薬品以外の医薬品」です。

 

女性の多くがかかりつけの婦人科医を持ち、関係性を築いている欧米諸国と、婦人科へのハードルを感じ、受診を躊躇する女性が少なくない日本の相違は、いまだ大きな課題として残されています。

緊急避妊薬は、全ての女性に提供され、また女性自身が主体的に取り組むべき「包括的な健康管理・支援」の一部分に過ぎません。「単に薬が手に入ればよい」とするのではなく、緊急避妊薬を必要とした女性に寄り添い、他の避妊方法に関する情報、必要な場合の受診勧奨など、「信頼をともなう関係性」が提供される必要があります。

緊急避妊薬に関するアクセスの拡大が、女性と医療者の「分断」を助長するものであってはなりません。

 

 

私たち薬剤師には、地域の生活者が必要とする医薬品を提供するとともに、的確な医療・健康に関する知識を伴って利用者と関わり、自己決定を支援すべき責務があります。

 

緊急避妊薬の分類を「処方箋医薬品」から「処方箋医薬品以外の医薬品」に変更し、薬剤師が処方箋を持たない女性にも緊急避妊薬を提供できるようにしてください。

私たちは、『医療者としての信頼』を社会に提示する必要があります。

そうでなければ、薬局の利用者が薬剤師を信頼して相談し、共に考える関係性を築くことはできません。

 

 

【発起人】

高橋 秀和(薬剤師 あおば調剤薬局)

高橋 洋一(薬剤師 日の出薬局)

堀江 知裕(薬剤師)

水 八寿裕(薬剤師 実務薬学総合研究所)

ご連絡は、下記のメールアドレスにお願い致します。

mizu.yasuhiroアットマークe-okusuri.co.jp

 

【賛同人 計41名(敬称略・順不同)】

※引き続き、賛同人として記載する薬剤師・他の医療従事者などを募っています。ご参加頂ける方は、上記メールアドレスまでご連絡ください。

森田 洋之(医師・医療経済ジャーナリスト)

豊見 雅文(薬剤師・広島県薬剤師会会長)

熊谷 信(薬剤師・ららくま薬局)

大脇 幸志郎(医師・埼玉医科大学)

伊集 智英(薬剤師・くはら薬局)

川畑 耕平(薬剤師・笑漢堂薬局)

佐藤 秀哉(薬剤師・株式会社アフェクティー代表取締役)

中川 勝憲(薬剤師・友愛薬局サンクル店代表取締役)

原崎 大作(薬剤師・みなみの薬局)

高市 和之(薬剤師・二十四軒薬局)

清水 雅之(薬剤師・合同会社みどりや薬局)

山浦 卓(薬剤師・横浜漢方サント薬局)

小嶋 慎二(薬剤師)

青山 慎平(薬剤師)

小杉 信義(薬剤師・アクア薬局)

佐藤 秀幸(薬剤師・有限会社プレアデス 道北調剤薬局 代表取締役)

大久保 弥生(薬剤師)

岡本 成史(薬剤師・有限会社ヤクニ 代表取締役)

吉田 聡(薬剤師・薬局なくすりーな)

高田 憲一(薬剤師)

田村 かおり(薬剤師)

山口 晴巨(薬剤師・ヤマグチ薬局)

山口 勉(薬剤師・株式会社TYCS代表取締役)

髙橋 正夫(薬剤師・高橋薬局ファミロード店)

松澤 義浩(薬剤師・みやび薬局)

吉田 洋史(薬剤師)

宮野 廣美(薬剤師・伊奈おりーぶ薬局)

石井 雅代(薬剤師・薬局オリーブファーマシー)

伊藤 裕至(薬剤師)

森 琢磨(薬剤師・横浜市金沢区薬剤師会理事)

久保田 充明(薬剤師・株式会社カワセ カワセ薬局 神奈川県薬剤師会理事 横浜市薬剤師会常務理事)

野呂瀬 崇彦(薬剤師・北海道科学大学薬学部准教授)

田中 大嗣(薬剤師・株式会社田中薬局代表取締役)

田中 裕加里(薬剤師・株式会社田中薬局取締役)

田中 大一(薬剤師・株式会社田中薬局取締役会長)

田中 葉子(薬剤師・株式会社田中薬局取締役)

田中 慶子(薬剤師・株式会社田中薬局)

平野 久美子(登録販売者・株式会社田中薬局)

桐生 直明(薬剤師・岡本薬局)

岡田 浩(薬剤師/大学講師・特定講師・京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野)

長津 雅則(薬剤師・シーガル調剤薬局 代表取締役社長)

 

 

声を届けよう
現在の賛同数:4,293次の目標:5,000
声を届けよう
このオンライン署名のQRコードです。スマートフォンなどの画面上で表示させるほか、ダウンロードしてチラシやポスターなどの印刷物に使うこともできます。QRコードをダウンロードする

意思決定者(宛先)