【千葉市 介護保険に移行しないと障害福祉は認めない】天海さんの障害福祉サービスを打ち切った千葉市に対して公正な判決を求めます~年齢等による障害者差別を是正するために~

【千葉市 介護保険に移行しないと障害福祉は認めない】天海さんの障害福祉サービスを打ち切った千葉市に対して公正な判決を求めます~年齢等による障害者差別を是正するために~

開始日
2020年7月24日
署名の宛先
千葉地方裁判所民事第3部合議5係
現在の賛同数:495次の目標:500
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この署名で変えたいこと

署名の発信者 天海訴訟を支援する会

■岡山市 浅田さんと同じ問題が千葉市でも

 2015年8月、天海 正克(あまがい まさかつ)さんが65歳になった時、介護保険に申請をしなかったとしたとして、千葉市は障害者福祉サービスの更新を認めず、支給を全面的に打ち切りました。これを不服とし、天海さんは2016年に千葉市を提訴。現在、千葉地裁で裁判が大詰めを迎えています。

 障害者が福祉サービスを打ち切られた場合、生活を維持することが困難になるだけでなく、場合によっては生命の危機に直結します。千葉市の対応はや市民生活と生命を守る自治体・公務員の責務にも逸脱しており、私たちはこうした千葉市の対応を許してはならないと考えます。

■厚生労働省も障害福祉サービス打ち切りには言及していない

 厚生労働省は2009年に通知を、2015年に事務連絡を出し、介護保険制度への移行に同意しない障害者には次のような対応するよう自治体に求めています。

①介護保険サービスの利用が優先される旨を説明し、申請を行うよう、周知徹底を図られたい(2009年通知)。

②要介護認定等の申請を行わない障害者に対しては、申請をしない理由や事情を十分に聴き取るとともに、継続して制度の説明を行い、申請について理解を得られるよう働きかける(勧奨する)こと(2015年事務連絡)。

 厚生労働省も介護保険制度に移行しないという理由で、障害福祉サービスを打ち切ってよいとは言っていません。”継続的に勧奨する”ことを求めるということは、基本的に打ち切りは想定していないと私たちは理解しています。そして、制度移行をしないという理由で障害福祉サービスの打ち切りを強行したのは岡山市と千葉市のみであり、全国的に見ても両市の対応は問題があると考えます。

■千葉市の主張は自治体の責務に反する

 千葉地裁の口頭弁論等において、被告(千葉市)は次のような理由(主旨)から、天海さんへの対応は正当なものだと主張しています。

①厚生労働省は障害福祉サービスを打ち切ってはいけないとは言っていない。

②千葉市は2~3回電話で介護保険への移行を要請した。

③加えて、障害福祉サービスと介護保険サービスの違いを文書で説明をさせた。理念や社会参加のための支援の違いは記載されていたが、具体的なサービスの違いの説明にはなっていないので却下した。

④したがって、岡山市と違い千葉市は十分に勧奨を行った。それに応じなかった原告(天海さん)は支援の打ち切りを自分で選択したのであって自己責任である。

 さらに、サービス打ち切りの際、千葉市はこれによって、天海さんの生活がどうなるか、生命に係る問題は考慮していないとも陳述しています。そもそも、介護保険サービスを使ったこともない当事者に具体的なサービスの違いを文章として提出させるという対応は、説明が困難なことを分かったうえで意図的に行われた対応と言わざるを得ません。こうした対応は不適切であり、行政に従わないものは切り捨ているという千葉市のあり方は、市民社会・民主主義社会の否定であると、私たちは考えています。

*①~④は支援する会が口頭弁論で確認した千葉市の主張であり、同市が裁判所に提出した準備書面に基づくものではありません。

■なぜ障害者は介護保険へに移行に反対するのか

 2011年、国は障害者自立支援法違憲訴訟団と和解(「基本合意」)し、住民税非課税の障害者のサービス利用料を無料化を約束、実現しました。しかし、65歳等になると障害者は要介護者として介護保険制度への移行が求められ、移行すると利用料負担が発生します。厚生労働省は65歳以降等で要介護状態になった高齢者との公平性を理由にあげますが、障害者に対する就労保障や所得保障は障害のない人たちに比べて不十分であり、健常者と同じように老後の資産形成(貯蓄)を行うことは困難です。こうした中で、負担が求められれば、障害者は生活費を削るか、必要でもあってもサービスの受給抑制をしなければならなくなります。

 また、障害福祉制度と介護保険制度では理念も対象も異なるため、サービス内容等に違いがあります。実際、介護保険に移行した障害者からは費用負担の問題だけでなく、支援内容に関しても不満の声が上がっています。

①電球の交換をしてもらえなくなった

②高いところの掃除をしてもらえなくなった

③冷暖房機器の出し入れもしてもらえなくなった

④時間がないからと雑巾も片付けずにヘルパーが帰ってしまったなど

 そもそも、障害者が65歳になっても、身体の状態や生活環境等に変化はありません。65歳等になると費用負担やサービス内容の異なる介護保険制度に強制的に移行させようとすることは、年齢による障害者差別に他なりません。また、65歳等になると要介護者であるという厚生労働省の主張は詭弁であり、「基本合意」という国の約束に反するものです。多くの障害者はこうした理由から、介護保険への移行に不安と不満を抱いているのです。

■障害福祉サービスは必要最低限の支給量

 障害者が介護保険サービスに移行しない場合、65歳等になるまでの障害福祉サービスの支給量と介護保険サービスの支給量を比較して、介護保険サービスではなかなえない障害福祉サービスの上乗せ分だけを支給する自治体もあります。例えば、障害福祉で75時間/月支給されていたが、介護保険では50時間/月と見込まれる場合、25時間のみを支給するのです。千葉地裁の判決においても、少なくとも上乗せ分を支給すべきであったという判断がくだされる可能性も否めません。

 障害者に認められる障害福祉サービスの給付量は生活を維持するうえで最低限の量に過ぎません。障害者が介護保険に移行した場合であって、サービス支給時間が障害福祉利用時より減少した場合、障害福祉サービスの上乗せを厚生労働省が認めているのもこうした理由からです。介護保険制度に移行しない障害者に対して、自治体はそれまでの障害福祉サービスの給付量を継続支給しながら、勧奨を継続すべできあると、私たちは考えます。

■皆さんの力が必要です

 天海さんに対する千葉市の対応は、岡山市よりも悪質です。行政の意向に従わないという理由で、個人の生存権を脅かし、尊厳を傷つける権利が自治体にあるのでしょうか。現在、行政や公務員のあり方が様々な問題を通して問われています。天海訴訟もその一環です。こうした問題を是正するには、裁判所に自治体・公務員の責務を放棄させない判決を下してもらわなければなりません。そのためにも、多くの皆さんの協力が必要です。私たちは天海訴訟の完全勝訴にむけて、ネット署名・団体署名等に取り組んでまいりますので、皆様のご支援を心よりお願いいたします。

【要望項目】

1.浅田訴訟の先例にならい、介護保険制度に申請しないことを事由に障害福祉サービスを打ち切ることを承認しないで下さい。 

2.障害福祉サービスは障害者が日常生活を送るために必要最低限の支援を給付するものです。判決にあたって、この給付の削減がされた場合、障害者は最低限の生活を維持することが困難になるという実態を十分に踏まえてください。

【取扱団体】天海訴訟を支援する会

賛同だけでなくコメントも寄せていただけると幸いです。また、団体署名の署名用紙は以下のHPからダウンロードできます。

http://amagai65.iinaa.net/

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意思決定者(宛先)

  • 千葉地方裁判所民事第3部合議5係