兵庫県北部の豊かな自然と住民の安全がピンチ!新温泉町に計画された外資系企業による山の尾根を切り裂く日本最大級の陸上風力発電を止めたい!
兵庫県北部の豊かな自然と住民の安全がピンチ!新温泉町に計画された外資系企業による山の尾根を切り裂く日本最大級の陸上風力発電を止めたい!
この署名で変えたいこと
《要望》
・自然環境を破壊し、住民の生活や健康の安心安全を脅かす「新温泉風力発電事業」計画を白紙撤回するよう事業者に勧告すること。
・事業計画地の中心である熊谷、伊角、今岡金屋、数久谷の四区は「区として反対」を決議したため、立地調査や実施設計および建設工事に関わる許認可を出さないこと。
・新温泉町のみならず、経済至上主義の風力発電が、日本各地の大切な自然環境を破壊している事実を直視し、大自然の再生活動にこそ重視すること。
【はじめに】
兵庫県の最北西に位置する新温泉町は、美しい山・川・海に恵まれた自然豊かな町です。
また、湯村温泉・七釜温泉・浜坂温泉という素晴らしい温泉に恵まれてもいます。
川のせせらぎ。
鳥たちのさえずり。
木々のささやき。
我々は自然の恵みの中で、心豊かに生活しています。
【外資系企業による日本最大級の風力発電計画】
そんな自然豊かな新温泉町内の山間部尾根沿いに、高さ150メートル、ローター(回転)直径130メートル、出力が一基あたり4,500kWという巨大風車をなんと21基も設置するという驚くべき風力発電計画が立ち上げられたのです。
風車の大きさ、出力ともに陸上では日本最大規模のものになるといいます。
事業者はシンガポールに本社をもつ海外ファンドのVENA ENERGY(ヴィーナエナジー)の日本法人である「日本風力エネルギー株式会社」。
従業員も指折り数えるほどしかおらず、お金だけを回し、全工程を委託するというペーパーカンパニーです。
令和元年から令和3年までが環境影響調査期間で、令和4年から工事に入り、令和7年に営業運転を開始する予定で事業者は動いています。
(現在は風況調査のみ実施し、その他の環境影響調査は中断していますので、計画もどんどん遅延しています)
【現計画への反対の理由】
大きく以下の3点の理由で現計画に反対致します。
◎健康被害
◎自然破壊
◎事業者への不信感
1、健康被害
環境省の疫学調査でも風車の低周波(耳に聞こえる音)や超低周波(耳に聞こえない音)による健康被害が報告されています。
1,500キロワット級の風車でさえ、5キロメートル以内で健康被害があると、環境省の行った疫学調査の結果で報告されています。
全国各地で睡眠障害、イライラするなどの健康の被害があるのです。
にもかかわらず、その3倍の出力の風車が住宅からわずか500メートル強の至近距離に建設するという無謀な計画です。
しかも谷あいにある村は、両側から風車で包囲されてしまうのです
先日のMBSの関西ニュース番組「Mint!」にもこの風力発電問題が取り上げられ、我々住民代表3名が出演させていただきましたが、その時専門家の武田恵世氏も「人家にあまりにも近すぎます。もし実現したら、大変な被害が出ると思います」と述べられました。
過疎地ではあっても人は住んでいます。未来を託す子供だって住んでいるんです。
その健康に悪影響を及ぼす可能性があるというのに、それを許すことは断固できません。
2、自然破壊
計画区域面積は1,967ヘクタール。
東京ドームが約5ヘクタール、東京ディズニーランドが約51ヘクタール、日本最大に空港である羽田空港が約1,500ヘクタールであるといいますから、どれだけ大きな計画か想像もつきません。
この計画区域内はとても自然の豊かな場所です。
その自然環境の生態系ピラミッドの上位には、絶滅危惧種に指定されている猛禽類のクマタカが生息し、その下位にはそれを育む様々な生物の営みが広がっています。
ヤイロチョウ、ブッポウソウなど約90種類もの野鳥の生息が現時点で確認されています。
先日、天然記念物のイヌワシや県鳥に指定されているコウノトリの飛来も写真で確認され、喜んだものです。
また計画地のもっとも山深き地区である檜尾や高山から湧き出す美しい水が人々の喉を潤し、田畑の水をまかなってきました。
殺菌も消毒もしない自然そのままの水が飲めるのは日本くらいだそうですね。
しかしこの風車の建設は山の生命線である尾根沿いを削って行われるものであり、大きな自然環境の変化、生態系の変化をもたらす可能性を指摘されています。
自然エネルギーはエコだからと推進しながら、豊かな手つかずの自然林を破壊することは大きな矛盾があるのではないでしょうか。
さらには土砂災害のリスクも大いに懸念されるところです。
特に昨年より、日本では異常気象による大雨が引き起こした自然災害が激増しています。
集中豪雨により地滑りが起こり住宅を襲った災害のニュースを我々は何度目撃したでしょうか。
計画地周辺も、土砂崩れの恐れがあるということで現在堰堤を建設する計画が持ち上がっています。
にもかかわらず、そのリスクを上げるような大規模な自然の破壊を行うのです。矛盾していませんか。
これほど大規模な造成により自然が失われ、大地が雨を保水する力を失うということがどれほど大きな危険をはらんでいるのか無視することはできません。
なにしろその至近距離に村があるのですからリスクを排除するのは当然の事です。
3、事業者への不信感
もともと事業者はエクイスエナジーという外資系の会社でしたが、この事業計画が告示された直後にグローバルインフラストラクチャーパートナーズに買収され、ヴィーナエナジーに変わりました。
そしてこの事業にあたる子会社名はNWE09-インベストメントだと知らされ、我々はその事業者名に宛てて様々な懸念事項を盛り込んだ意見書を提出してきました。
しかし事業者から説明があるたびにその名称が変わるのです。次には「お財布を分けるためにNWE10-インベストメントに変わった」と言い、次には「やはり日本風力エネルギー株式会社で事業に当たる」と言うのです。
事業に最後まで責任を持つと現在の担当者が答えようとも、買収を繰り返す投資ファンドの世界で、何をもって信じればいいのかという我々の疑念が強化される出来事ではないでしょうか。
実態のつかめない会社のマネーゲームに付き合わされるのはごめんです。
また、巨大風車が負の遺産として残る可能性についても触れてまいりましたが、まさにその不安が現実化したような昨年8月の淡路島風車倒壊事故が起こりました。
その調査報告のまとめにこのように書かれています。
「本風車の管理は、所有者・運転責任者・電気技術者等の多階層組織が内在することで、管理体制・責任所在が不明確であった。これにより、運転責任者からの連絡不足が生じ、加えて、風車の制御に対する誤認識が重なることで、長期間の電源停止と運転記録の欠測が生じた。」
これを見ても、やはり責任の所在を明確にしておくことが必要です。
しかしこの事業者はペーパーカンパニーであり、その責任を託すには値しません。
先の説明会でも、過去に中止した当社の計画の経緯ついて質問をした方がありましたが、「私は3か月前に雇われたので把握していません」という言葉が担当者から返された時には本当に呆れました。
【最後に】
我々も風力発電は二酸化炭素削減で温暖化防止のためのクリーンエネルギーであると思い込み、いいものではないかと思っていました。
リスクはあっても脱炭素に協力できるならば犠牲になる部分は必要と考える人ももしかしたらおられるのかもしれません。
しかし風任せで安定しない風力発電は、火力発電のバックアップなしには稼働できません。
電気は使われる量と発電する電気の量を一緒にしないと、停電につながってしまうため、そのバランス調整できる火力発電が必要なのです。
そんなわけで、風力発電が動いている間には火力発電所も意味もなくボイラーを炊き、二酸化炭素を排出し続けているという事実があります。
蓄電する技術が確立されていない今、風力発電は二酸化炭素削減にほとんど貢献できておらず、それどころか自然を破壊する立地に建てられるということならば、アンクリーンエネルギーと言ってもいいのではないでしょうか。
私たちは、大切なものを守りたいです。
地域に住む人々の豊かな自然の中にある暮らしを。
私たち自身も、この計画があったからこそ気付けた様々な事に感謝し、今まで以上に森林の再生活動や、生態系の保護に尽力していくことを誓います。
現行の環境影響評価法に基づく環境アセスメントでは止められません。
住民の力強い意志と、思いに賛同してくださる皆様のお力添えがあってこそなのです。
どうか皆さま、署名にご協力をよろしくお願い致します。
いのちをつむぐ会代表 山地弘純
会員一同
意思決定者(宛先)
- 新温泉町長、兵庫県知事、環境大臣、経済産業大臣