私はスマホゲーム「ドラゴンクエストウォーク」を楽しむ、いちユーザーです。小学生の頃に遊んだドラクエ３以来のファンで、主人公が勝手にしゃべらずプレイヤーの想像を邪魔しない控えめなスタンスや、現実の世界地図を元にしたマップ、自由な解釈が可能な余白を残したシナリオが大好きでした。

　ドラクエウォークは馴染み深いドラクエの世界に最新の位置情報ゲームを掛け合わせたもので、現実世界の地図を使うことで「プレイヤーが勇者になれる」没入感が増しており、童心に帰ってご近所の探索や身近な発見を楽しめるゲームに仕上がっています。

　そして現代のゲーム産業は開発や運営に多額な費用を必要とします。ガチャは資金調達の工夫のひとつですが、今までの間にたびたび誤解やトラブルを招き、企業とユーザーの関係を損ねてきました。

　業界団体は、ガチャでほしいものを確定入手するまでの上限金額を５万円と定めましたがこれはユーザーの声を聞いたわけでもなく、一般常識に照らして健全でしょうか。据え置きゲーム機の本体より高額なゲーム内アイテムがあること自体、おかしくないでしょうか。ガチャに関わる問題が報じられるたびユーザーは賢く用心深くなり、無課金層も増えました。

　今は多くのゲームが短命で消えゆく過酷な状況です。かつてひとつの時代を築き、今なお多くの人に愛されるドラクエシリーズを持つスクウェア・エニックスの皆様には、ぜひこの現状に一石を投じる決断をして頂きたいと、私は考えています。

　私が提案したいのは、多くの人に嫌われ警戒されるガチャ中心の課金から、ほとんどの内容を毎月定額で楽しめるサブスク形式に軸足を移すことです。見た目装備を有償販売するなど、段階的な移行でも構いません。ガチャを回さず、ほしいものを直接選んで買えるようになれば理想的です。

　目先の売り上げだけを追うガチャに固執してユーザーとの関係を険悪にするより、ゲーム内容や各種機能の継続的な改善を続けるため、安定収入の期待できるサブスクで堅実な長期運営を。そして何より、嘘やごまかしのない説明を尽くしユーザーに理解を求めることで、すべてのドラクエファンの信頼を取り戻すことを願っております。