【宮崎県林業】山林へのヘリ除草剤散布は反対です!他の解決方法をみんなで考えよう!

【宮崎県林業】山林へのヘリ除草剤散布は反対です!他の解決方法をみんなで考えよう!

開始日
2019年6月9日
署名の宛先
宮崎県知事
このオンライン署名は終了しました
5,106人の賛同者が集まりました

この署名で変えたいこと

署名の発信者 Takesi Imanisi

【宮崎県林業】下草刈り作業省力化に向けた、山林への無人ヘリ除草剤散布をSTOPさせたい!!

宮崎県では、昨年11月から林業の下草刈り作業を省力化するべく、山林へ無人ヘリコプターによる除草剤散布実証実験が始まりました。

人間が大きな機械を背負って行う重労働の草刈りは止めて、無人ヘリコプターで除草剤を撒く事で省力化し、後継者不足で悩む林業の負担を軽減しようというものです。

私はこの除草剤を用いた解決策にはNO!反対です!
一旦除草剤散布実験はSTOPして頂き、他の解決策が無いのかみんなで考える機会を作りたいと考えています。

「林業で一番過酷な、下刈り作業」

林業に人出が足りていないのは事実です。
私も林業(山師)を12年やっています。多くの現場を経験し、様々な作業を経験してきました。

その中で「最も過酷」と言われるのが「下草刈り作業」です。
下草刈り作業は植林して1~6年生の小さな木の苗の周りに茂る草を、刈り払い機というエンジン付きの機械で草を刈る作業の事です。木の成長を邪魔をする草を刈る事で、木の成長を促します。この作業を行わない場合、木の成長が遅れるどころか、草に負けて枯れてしまう場合もあります。育林をする上で非常に重要な作業です。

しかしこの作業は、宮崎の30度を超す真夏(6月~10月)の猛暑の中行われます。

日陰はありません。山の上で太陽が近く感じるからなのか、通常より体感温度も高くなります。草と言ってもむっちゃワイルドな草です。草と言うかむしろ木。畑の草とは大違い、場所によっては自分の身長を超す2mのススキを相手にしない場合もあります。

それを急斜面の中、水や燃料を入れた10kg近いリュックを背負い、重さ約5kgの機械を何千、何万回と振り回して草を刈るのです。軽度の熱中症や脱水症状は日常茶飯事。ピーク時は1週間で体重も数キロ落ちます。それが1週間で済めばいいですが、5か月も続く訳です。

なのでこの時期に辞める新人も多数います。昔から「下草刈り作業を乗り切れば、もう辞めない」とさえ言われます。それ程に、この作業が体力的・精神的にも過酷で山場なのです。

「減る山師、減らない杉生産量」


宮崎県の林業従事者は減っています。
1990年 5392人 →2010年 2690人(参考 宮崎県オープンデータボックス)

20年で半数の2702人減っているのです。

ですが杉生産量は29年日本一!

横ばいどころか右肩上がりで年々上昇しています。30年で人は半分に減っても、生産量は維持どころか増えていっています。
持続的な林業をうたっていますが、数字だけ見ても持続可能なのかは疑問です。

もちろん高性能林業機械と言って、木材生産を省力化できる機械も多く活躍しています。宮崎は北海道に次ぐ2位の保有台数があります。ですから人が減っても大丈夫という意見もあります。

「テクノロジーの木材生産業⇔アナログな造林業」

確かに木を伐って丸太に造材する、木材生産部分は高度に近代化し機械化しました。
ですが、木を植えて育てるまでの造林業はこの50年で全く近代化していないのです。未だにほぼ人力です。ほぼアナログな作業なのです。

木を植える植林作業は、未だにクワ1本で植えています。山の急斜面で杉の苗を背負って、一日300~400本、一本一本手で植えるのです。
この作業に至っては50年以上変わっていません。もしかすると人工林施業の有史以来変わってないのかもしれません。機械化したくてもできるものとできないものがやはりあります。*機械で植林できるものもありますが、全ての山で使えるほど実現化には至っていません。

そして宮崎の林業には偏りがあります。
機械化した華やかで儲かる木材生産業には人が多く若者も集まりますが、地味でアナログな植林・育林の造林業には人手が集まらず、若者も少なく高齢化しています。
下草刈り作業をする労働力は統計数字に出る以上に深刻なのです。

「労働力を省く=除草剤。は正解なのか」

ではやはり造林業(植林・育林)を維持するためには、機械化!無人ヘリコプターで除草剤を撒いて労働力を省力化しようよ!って言うのは果たして正解なのでしょうか?

山に除草剤を撒いてまでやりたい林業ってなんなのでしょか?
山に除草剤を撒いてまで残したい山ってなんなのでしょうか?

畑の草を枯らすのとは大違いなのです。エンジンが付いて、鋭い刃が高速回転する草刈り機じゃないと切れないような草です。それを枯らすほどの農薬です。
宮崎県も「環境に影響がないか調べる」と言っています。ですがどの程度調べるつもりでしょう?環境に影響があるのかどうかは本来数十年、数百年しないとわからないのです。

因みに宮崎県環境森林部 山村木材振興課に問い合わせた(2019.6.10 )ところ、使用する除草剤は「ダイトロンフレノク」という国の認証を得たものだそうです。
もちろん国が認証したものなので安心して使えるのでしょう。違法性も無いのでしょう。

ですがそれでも私は反対です!リスクが高すぎる!
宮崎県の山林面積を知っていますか?
総面積の7,735㎞2のうち、森林(5,866㎞2)が75.8%。農地は(679㎞2)8.8%です。農地に撒く農薬とは比べ物になりません。
もう想定を通り越した領域に入ります。生態系への影響は数回実験したくらいでは到底わかるものではありません。

除草剤を撒き続けた山を、未来を生きる子どもや孫たちが喜んでくれるのでしょうか?私はどうしても肯定できないのです。

私は林業に定義があるとするのなら、これだと思うんです。

「未来(次世代)が喜ぶ山を残すのが林業」

時代によって林業の技術も仕組みも政策も変わります。
同じ日本でも場所が変われば林業も変わる。同じ宮崎でもそうなんです。
地域や会社や人も変われば林業も変わります。でもみんな根本にあるのはこの気持ちだと思うんです。この気持ちが根底にあるのなら何をやっても良いし、逆にこの理念から外れる事はやってはいけないのです。

そしてこの気持ちは宮崎県の林業政策を決める方達も持っているはずです。
今回下草刈り作業の省略化の為に、山林への農薬散布を考えたのも、手入れ不足では無い、立派な木材が並び立つ、豊かな山を未来に残したいと思ったからに違いありません。これまで宮崎の林業を見つめ続けてきたからこそ行きついた方策だったのでしょう。これまで宮崎の林業を築き上げた宮崎の林政には敬意を表したい。でも今回は全て賛成できないのです。

「林業=木材生産。は変わる時期が来た?」

今回の施策は「豊かな木材」の為であって、「豊かな山(森林)」の為ではありません。
宮崎県は29年杉生産日本一の流れを止めたくないのかもしれませんが、それよりも大事な事は沢山あります。
私も木材生産をしています。祖父が植え、父が育て、孫の私が伐るという、三世代50年にも渡る木材生産はやりがいがあり、林業の醍醐味の一つです。私もやっていて楽しいですし、木材生産を全否定するつもりは毛頭ありません。

ですが現在の「林業=木材生産」は変わる時期に来ていると感じています。「100%木材生産」から、例えば「60%木材生産・40%環境林業」という風にシフトしてもいいんじゃないかと思うんです。それが今の宮崎住む人たちに、日本に住む人たちに求められているのではないでしょうか。今の時流と現状を捉えるとそう思えてならないのです。

森林の機能は木材生産だけではありません。豊かな土壌が豊かな水を生み、それが農地へと流れ豊かな農業を生み、それが海へ流れ豊かな海と漁場を生み出すのです。そしてそこに住む人達へ豊かな暮らし育み、子孫永代へと繋がっていく。その根本を生み出すのが林業のあるべき姿のはずです。農業の為に、漁業の為に林業があっても良いはずです。

もう一度ここを思い出して頂きたい。目的と手段が混同しているのです。木材生産はあくまでも手段の一つでしかなく、本来の目的は「未来が喜ぶ山(森林)を残す事」だったはずです。

「山に除草剤を撒かなくても林業が持続する方法を、みんなで考えたい!」

この問題はもう林業だけの問題ではありません。そしてもう林業だけでは解決できないのです。みなさんのアイデアを貸して下さい。みなさんの力を貸して下さい!

この問題は宮崎県に住む、

皆さんが家で使う水の話です。
皆さんが作る野菜に撒く水の話です。
皆さんが家畜の飲ませる水の話です。
皆さんが魚を獲る海に流れる水の話です。
皆さんのお子さん、お孫さんが飲む水の話なんです。

いやこれは全国に住む人にとっても、深刻な問題だと思っています。

だって日本は繋がっていますから。
日向灘を泳ぐ魚は、東京まで泳いで行きます。
お肉の生産量は鶏肉が日本1位、豚肉が2位、牛肉が3位です。
きゅうりもピーマンもお茶も椎茸も全国上位の生産量。

そしてなにより宮崎県は林業先進地の位置づけです。
宮崎でスタートした施業方法は全国に飛び火していきますよ。

「行政批判がしたいんじゃない!みんなで考えたい!」

私はこのプロジェクトで宮崎県の行政批判がしたい訳じゃないんです。
除草剤批判がしたい訳でもありません。木材生産批判をしたい訳でもありません。

ただこの「山林への無人ヘリで除草剤散布」という、宮崎県民(日本国民)のほとんどが全く知らなかった実情をみんなに知って頂き、みんなで「YES or NO」を話し合いたいんです!みんなが賛成なのか反対なのか、それを議論したい!それからでも実証実験は遅くないんじゃないでしょか。

なので一先ず「山林への除草剤散布実証実験はSTOP!!!」して頂きたい!
そしてみんなで議論できる場を構えたいんです!


これは林業関係者だけでは無く、農業、漁業、飲食業、主婦関係なくみんなで、みーーーんなで声を上げて変えていきたい問題です!

みんなでムーブメントを起こしましょう!みんなで変えていきましょう!

皆さんのご協力を宜しくお願いします!


                        山師 イマニシタケシ

【20196.10 宮崎県庁環境森林部 山村木材振興課に電話にて問い合わせしました】

現在この実証実験は2018年11月に第1回めの散布実験を行って以来、2回目は行っていないそうです。2019年度は予算の目途も立っていないのもあり、2回目の実証実験の予定も無いそうです。
*使用除草剤はダイトロンフレノックス。

 

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意思決定者(宛先)

  • 宮崎県知事
  • 宮崎県環境森林部部長
  • 林野庁長官