1)展示室の面積は減らさないで欲しい、というこちらの要望に対して、展示室面積は今まで通りという区の担当者の昨日の回答は間違いだと気付きました。1階の「子供のためのワークショップ室」の面積を入れずに地下の区民ギャラリー、2階の4箇所の展示室、3階の作品収蔵室を合計しても1441.9平米で、区が言う1200平米は不足しています。また今の所、エントランス等に展示ケースなどを使用した展示空間を新ビル内では考えるそうですが、それは今の美術館の仕様に近くなるとは思えません。
2)区民センター周辺地区まちづくり準備会というのを区は作っていて、その分厚い書類を読むと将来的には山手通り、目黒通りまで接する広大な土地を再開発する計画です。現在の区民センターの場所に PFI方式等で70メートルの高さのマンションを建てる案になっています。この案だと、どうも美術館の建物が敷地面積計算上の邪魔になるようで、将来的にこれをやるには美術館を壊しておいたほうがいいのでしょう。従って現在の美術館の建物を他の用途で使用することも視野には入っていません。建物解体では環境に負荷があり良くないと指摘しました。
3)この様な場合、区議会議員が行政との会議に立ち会ってくれていたとしても「あの時の窓口の課長がまだよく理解していなかったものだからなどと後に区に言われて、昨日の件は全く覆る可能性がある。区はデベロッパーの言う通りにやるだけで、デベロッパーが決めなくては何も分からない」のだそうです。例えば美術館内の原口典之の鉄鋼作品を移設するという昨日区から出た話もなかったことになるかもしれません。それは恐ろしい事です。
4)素案が5月以降に出ても素案の案と大きくは変わらないだろうと私は思います。多分、すでに決まっているデベロッパーが公募という形で正式に決まってから青写真等で建物や図面が示されるのでしょう。目黒区は前区長の区有地売却損失事件以来、今後とも財政が苦しいことが予想されるので財政の負担になりそうな目黒区美術館は今まさに壊すのが合理的、という行政側の主張にも私共は納得出来ませんでした。もし本当にお金がなければ今ある建築を工夫してできる範囲で修繕などし、長く利用するのが経済的なのではないでしょうか。
以上、私共がやっていることは虚しいのかもしれませんが、それでも続けます。
これを簡単に許すと他の美術館も同様にやられてしまうと思うので、せめてハードルを高くしなくてはいけないと思います。
戦争やコロナで資材や人件費高騰が起こりました。先のことなんて誰も分かりません。デベロッパーが倒産続きになることだってあり得ます。そうなって初めて PFIが禁止になる可能性もあるでしょうから。