【 #令和の公害 】化学物質汚染に怯える市民からのお願いです。ダイキン工業はPFOA汚染の調査と対策を行ってください #PFAS汚染問題

【 #令和の公害 】化学物質汚染に怯える市民からのお願いです。ダイキン工業はPFOA汚染の調査と対策を行ってください #PFAS汚染問題

開始日
2022年12月13日
署名の宛先
摂津市 3人の別の宛先
現在の賛同数:25,571次の目標:35,000
声を届けよう

この署名で変えたいこと

*2024年2月15日:PFAS/PFOAの用語を整理した形で文面を修正しました

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私たちは、大阪府摂津市に住む市民団体です。今私たちが住んでいる摂津市では、目に見えない危険物質によって、淀川の支流を流れる水が汚染され、市民の健康や生活が脅かされるという事態が起きています。しかし、汚染源と見られるダイキン工業をはじめ、国や自治体に対策を訴えてもなかなか対応してもらえません。

国や事業所に取り合ってもらえず、メディアにもほとんど報道されないこの問題について、問題の深刻さを広くたくさんの方に知っていただきたい。そして、市民の安全な暮らしや子どもたちの健康を守るために、なんとかして汚染の調査や対策を講じてもらいたいと思い、この度オンライン署名を始めました。


◆ 国際条約で廃絶が決まった危険物質「PFOA」。摂津市民の血液から高濃度で検出
2022年9月27日、京都大学の小泉昭夫名誉教授と原田浩二准教授が大阪府・摂津市民8人の血液検査を実施したところ、全員から高濃度のPFOA(有機フッ素化合物=PFASの一種)が検出されました。

PFOAとPFOS(同じPFASの一種)は、フッ素化合物・PFASの一種で、2019年にストックホルム条約で危険化学物質として認定されて廃絶が決まり、日本でも2021年に製造・輸入が禁止になった有毒物質です。発がん性や臓器障害、低出生体重児の出生、ワクチン反応の低下などさまざまな健康被害が指摘されており、毒性が強い上に残留性が高いという性質から「永遠の化学物質」とも呼ばれています。

小泉教授は国内におけるPFAS研究の先駆者であり、2002年から全国各地の水資源や住民の血液中のPFAS濃度を調べています。2020年以降に摂津市で実施された血液検査では、検査した市民の85%から高濃度のPFOAが検出されています。(出典:Tansa

◆ ダイキンの工場付近で高濃度のPFOAが検出。世界最悪レベルの汚染
摂津市にあるダイキンの淀川製作所では、1960年代後半から、このPFOAを製造・使用していました。そして、この淀川製作所の近くを流れる淀川の支流では、世界最悪レベルのPFOA汚染が起こっていることが、小泉教授ら研究チームの調査によって判明しました。

さらに、環境省が実施した全国の水環境調査では、摂津市の地下水が全国1位の高濃度PFOAを記録。2021年6月の環境省の調査では、ダイキンの工場付近で、環境省が定める目標値の110倍、翌年の大阪府の調査では、用水路からは目標値の130倍、地下水からは目標値の400倍ものPFOAが検出されました。

「目に見えないPFOAが、もしかしたら自分の体内にも蓄積されているかもしれない」

「ひょっとしたら家族の健康にも悪影響を及ぼしているかもしれない……」

不安を募らせた私たちは、PFOA汚染の調査や汚染対策をダイキンに要請することを求めて署名活動を開始し、2022年4月4日、摂津市の森山一正市長に1,565筆の署名を提出しました。それに先立ち、摂津市議会では「PFOA等による健康影響の解明及び指針等の整備を求める意見書」を全会一致で可決し、国に対応を求めていました。

◆ ダイキンも国も大阪府も摂津市も動いてくれない……。絶望する市民
大阪府も国も、摂津市のPFOA汚染の主たる原因がダイキンの淀川製作所であるとの見解を示しています。ところがダイキンは、自身が汚染源であることを認めず、汚染された地域のPFOA除去も拒んでいます。

2022年4月には、参議院環境委員会で大阪府摂津市のPFOA汚染についての審議があり、淀川製作所から敷地外へのPFOA排出量を把握するよう国は対応を求められました。しかし山口壯環境大臣は、「大阪府の摂津市の仕事、大阪府はしっかりやっていただきたい、我々はきっちり助言を行います」と回答。その後、大阪府事業所指導課は探査報道機関「Tansa」の取材に対し、「大阪府は、ダイキンが主たる汚染源と考えて対策を要請しており、その要請をうけダイキンは対策を実施しているところです」と回答しています。(出典:Tansa)責任を押し付け合うような一連のやりとりに、私たち市民は状況の改善も進展も期待できず、絶望を感じています。

その間にも、私たちは汚染されているかもしれない不安に怯え、影響を受けやすい子どもたちへの健康被害を心配しながら過ごしています。親としては、子どもたちが毎日通う小学校の水や農作物、畑、グラウンド等も、汚染されているのではないかと気が気ではありません。PFOAという有毒物質は、体内や水・大地にも長く残り続けるものであるからこそ、ここで生活する市民のために、そして、未来を生きる子どもたちのために、早急な対策が必要です。

 

 

(提供:撮影/中川七海、(C)Tokyo Investigative Newsroom Tansa)

◆ 横須賀市では市長の進言により、環境省がPFOA/PFOSを「指定物質」に追加
私たちのPFOA汚染問題が国や自治体、事業所から「たらい回し」にされている一方で、同じようにPFOSの汚染が問題になっていた神奈川県の横須賀基地では、横須賀市からの要請を受けて、国が対応に乗り出したという事例もあります。

2022年8月に実施された調査の結果、横須賀基地では目標値の約172倍のPFOSが検出。その報告を防衛省から受けた横須賀市の上地克明市長は「原因は究明中では到底納得できない。 怒りを禁じ得ない。 米軍の運用そのものを疑わざるを得ない」と表明し、早急な原因究明と国の徹底した調査を求めました。そして、環境省は、PFOA/PFOSが外部に排出された際に自治体への届け出を義務づける「指定物質」に追加することを決めました。(出典:NHK東京新聞

このように、自治体が市民に寄り添い、国に働きかけたことで、変化が起こった例もあるのですから、摂津市でも不可能ではないはずです。

私たちは、環境省、大阪府、摂津市、およびダイキン工業株式会社に対し、以下を求めます。

 

【この署名で求めること】

⒈ ダイキン工業は、敷地内汚染の情報を公開し、汚染対策を講じてください
2009年10月から20回以上にわたり、府民に知らされることもなく、大阪府、ダイキン、摂津市の3者懇談会が行われてきました。ダイキンの敷地内には高濃度のPFOA汚染が広がっていると指摘されています。ダイキンは年間6万トンの地下水を汲み上げ、除却処理をして公共下水に排出していますが、その水のPFOA濃度さえ明らかにしていません。周囲への流出を防ぐためにも、それらの情報公開とそれに基づく調査・対策が必要です。

⒉ 国(環境省)は、PFOAによる汚染土壌の調査に加えて、地域住民の健康影響の解明および汚染対策の指針等の整備を行ってください
すでに一部の市民の血液から高濃度PFOAが検出されているという事実もあり、地下水は農業水としても利用されているため、多くの市民が健康被害を心配しています。PFOAは人体内にも長く残留する危険物質であることから、汚染土壌の調査に加えて、地域住民全体に対する健康影響調査を行なってください。

また、高濃度の地下水汚染が生じている地域における農産物の摂取と人体への影響を明らかにし、その結果を踏まえて、水質・土壌および農産物等に係る汚染状況の評価やその対応に関する指針等を示してください。

⒊ ダイキン工業と摂津市は、「環境保全協定書」に基づき、淀川製作所が排出したPFOA汚染が地域住民に与えた被害に対する補償について協議してください
ダイキンと摂津市が結んだ「環境保全協定書」では、「事業者は事業場の操業に起因して公害が発生し、住民の健康及び財産に被害を与えたときは、その被害の補償を誠意をもって行うものとする」と定められています。(出典:Tansa)健康被害については今後調査が必要となる一方で、汚染が原因で地下水や農地を使用できなくなった住民の財産への被害はすでに起きています。ダイキンおよび摂津市は、早急に被害を被っている市民への補償について協議を始めることを求めます。

不安を煽るのは本意ではありませんが、PFOAに汚染された地下水で育てた野菜を食べたことがない人の血液からも、高濃度のPFOAが検出されています。目に見えない汚染によって、私たちの体はすでに影響を受けているかもしれないのです。しかし、今の私たちには、それを確かめる術もなく、汚染源と見られるダイキンに補償を訴えることもできません。

ダイキンの工場周辺には住宅地が広がり、近くには小学校もあり、子どもたちを含めて多くの市民が汚染に怯えながらここで日々の生活を送っています。市民の健康が守られ、子どもたちへの健康被害を最小限に収めるためにも、ぜひ署名へのご賛同をお願いいたします。

 

 

(提供:撮影/中川七海、(C)Tokyo Investigative Newsroom Tansa)

 

そして、PFASの汚染は、摂津市だけの問題ではありません。近年の調査では摂津市が全国1位の値を記録していますが、米軍基地のある東京都の多摩地域や沖縄県他全国各地で、高濃度のPFASが検出されています。

目に見えない危険物質によって、市民の健康や日々の営みが脅かされることがないように、国や自治体、そして汚染源となっている事業所や施設には然るべき策を講じていただきたい。そして、子どもたちには健康被害ではなく、きれいな水や大地を残せるようにしたいというのが、私たちの心からの願いです。

皆様、どうか、署名へのご賛同・拡散のご協力を何卒よろしくお願いいたします。


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【子どもたちを心配する保護者の声】
ダイキンの工場に近い小学校に子どもを通わせている保護者の声です。

「小学校近くの住民の方の畑の土壌や作物からも、住民の血液からも、井戸水を飲用していないにもかかわらず、高濃度のPFOAが検出されたとの報道に衝撃を受け、鳥肌が立ちました。子どもたちは、小学校の畑で作物を作って、持って帰って食べています。学校は大丈夫でしょうか?」

「PFOAは、大人以上に子どもへの影響が強いと言われています。親として、子ども達が毎日通う小学校の汚染状況はどうなのか、大変心配です」

「水や農作物、畑、グランド等の土壌など、小学校の全般的なPFOA汚染の状況を早急に調査することを強く要望します」

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【PFOA公害汚染の経緯】

◆ 摂津市民の血液から高濃度のPFOAが検出
2005年、大阪府摂津市の住民の血液から、高濃度のPFOAが検出されたことが、京都大学の小泉昭夫名誉教授らの研究チームの調査でわかった。2008年に行われた小泉教授ら研究チームの調査では、摂津市民60人の血液から、平均で非汚染地域の6.5倍もの濃度が検出された。

2020年以降、小泉教授らが実施した血液検査を受けた市民の85%から高濃度のPFOAが検出。2022年9月27日に検査を受けた8人からは、全員高濃度のPFOAが検出された。

◆ 摂津市のPFOA濃度はダントツの全国1位。目標値の100倍を検出
環境省は2020年5月、河川や地下水での濃度について、人体への影響を考慮し暫定目標値をPFOSとPFOAの合計で1リットルあたり50ナノグラムと定めた。

2021年6月:環境省による2回目の調査結果によると、摂津のダイキン工業の淀川製作所に近い計測地点では、1リットル当り5,500ナノグラムが検出。(目標値の110倍

2022年4月:大阪府の直近の調査では、淀川製作所周辺の用水路から6,500ナノグラム(目標値の130倍)、地下水から2万ナノグラム(目標値の400倍)が検出。

◆ 摂津市議会「PFOA意見書」全会一致で可決
2021年の調査で摂津市から高濃度のPFOAが検出されたことを受けて、市議がダイキンに説明を求めたがダイキン側は取り合わず。ダイキンから摂津市議に提出された見解では、「淀川製作所敷地外の調査、浄化、住民への対応は実施しない」と記されていた。そのような状況を受け、2022年3月29日、摂津市議会は「PFOA等による健康影響の解明及び指針等の整備を求める意見書」を全会一致で可決し、国に対応を求めた。

◆ 市民団体がPFOA汚染の調査・汚染対策を求める署名を集め、森山市長に提出
2022年1月、市民の有志で「PFOA汚染問題を考える会」が結成され、PFOA汚染の調査を行うこと、ダイキンに対して情報公開ならびに汚染対策を要請することを摂津市に求める署名活動を開始。4月4日に森山市長に1,565筆を提出、6月21日には第二次提出分として、145筆の署名簿と要望書を提出した。

<補足情報>
◆ ダイキンアメリカはPFOA汚染に対して賠償
2005年、米アラバマ州のテネシー川でPFOAが検出され、2013年に米国当局がテネシー川からの水道水を飲んでいた住民の血液を分析した結果、飲料水が汚染されていたことが判明。水道局と住民は、川の上流でPFOAを製造していたダイキンアメリカ(ダイキンの米国法人)を含む3社を提訴。2018年に原告とダイキンの和解が成立するが、ダイキンは400万ドル(約4億3千万円)を賠償し、PFOAを飲料水から除去するための費用に充てられた。なお、この時のテネシー川の汚染濃度は、330ナノグラムと、摂津市よりはるかに低いものだった

*PFOAとは?
PFOA(ペルフルオロオケタン酸の略称)は、フライパンのテフロン加工、食品の包装紙、泡消火剤など、優れた耐水性・耐油性で幅広く活用された有機フッ素化合物。毒性が強い上に残留性が高く、体内や水、大気、土、農作物などに長く留まり続ける性質がある。発がん性や臓器障害、低出生体重児の出生、ワクチン反応の低下など複数の健康被害が指摘されている。2019年、ストックホルム条約でPFOAは危険なランクの化学物質に認定されて廃絶へ。それを受け、2021年10月には日本でもPFOAの製造・輸入の禁止が決定された。

<出典>
●Tokyo Investigative Newsroom Tansa「公害『PFOA』
●『Perfluorooctanoate and perfluorooctane sulfonate concentrations in surface water in Japan』(2004)
●『Long-term simulation of human exposure to atmospheric perfluorooctanoic acid (PFOA) and perfluorooctanoate (PFO) in the Osaka urban area, Japan』(2010)

 

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意思決定者(宛先)