道理のない高校つぶしは撤回を!平野高校・かわち野高校・美原高校の存続を求めます
道理のない高校つぶしは撤回を!平野高校・かわち野高校・美原高校の存続を求めます
大阪では「3年連続定員割れで再編整備」という府立学校条例(2012年~)がつくられ、この10年間に17もの府立高校が廃校にされています。大阪府教育委員会は、昨年、大阪府南部にある阪南市の唯一の高校である泉鳥取高校を含む3校の廃校を強行したのに続き、今年も11月8日に、平野高校、かわち野高校、美原高校の3校を再来年度から募集停止し、廃校にするとの方針を決定しました。これは、私たち、大阪の高校を守る会が提出した約1万名の反対署名をはじめ、多くの府民の声を踏みにじる不当な決定です。今後、2月に開会される府議会に条例改正案が提出される予定です。
これらの学校はいずれも地域の子どもたちが通う「地域の学校」で、平野高校と美原高校は7キロしかはなれておらず、両校が同時に廃校になることに対し、当該地域である松原市の小中学校の校長会からも撤回を求める要請書が出されています。また、かわち野高校は元々二つの府立高校(盾津高校と加納高校)が統廃合されてできた学校で、その「機能統合」先とされている高校(枚岡樟風高校)も二つの府立高校(食品産業高校と玉川高校)の統廃合でできた学校。地域にとっては4つあった高校が1つしかなくなることを意味しています。
そもそも子どもたちの学ぶ権利を保障するために設置されている公立高校の定員は「ゆとり」があって当たり前です。教育委員会は、毎年、進学予定者数を上回る募集定員(公立と私立の合計)を設定し、これを「就学セーフティネット」のためとしています。つまり、「学校の努力や取り組み」とは関係なく、毎年、必ず「ゆとり=定員割れ」が生じるしくみとなっているのです。「進学を希望しながら行き場のない子」を出さないためにつくられた「ゆとり」を理由に学校をつぶすなど、道理がありません。
この間に廃校になった学校の卒業生からは「中学校の時不登校でこの学校しか行けないと言われた。でも、進学してみたら(定員割れのため)少人数で先生たちが丁寧に関わってくれ、自分を取り戻すことができ大学にも行けた。今の自分があるのはこの学校のおかげだ」(咲洲高校卒業生)などの声がたくさん寄せられています。「定員割れ」の学校は「魅力のない学校」などではなく地域の子どもたちの学ぶ権利を守り、大切な役割を果たしている学校です。
教育委員会は「少子化だから仕方ない」と廃校を正当化していますが、実は毎年の入学試験では「定員割れ」をはるかに上回る不合格者が出ています。通学区の撤廃や学校の特色化など競争をあおる施策が、受験生を「人気校」に集中させているからです。府立高校全体の志願倍率は1倍を超えており「府立高校が余っている」のではありません。競争をあおり、少子化のもとでもたくさんの子どもたちを不合格にしながら「定員割れ」を理由に高校をつぶすのではなく、過酷な受験競争を緩和し、希望者全入こそめざすべきです。
また、教育委員会は1学級40人を前提にして「少子化だから高校を減らす必要がある」としていますが、世の中の流れは少人数学級へと向かっています。少子化をチャンスと捉え、ひとり一人に行き届いた教育を実現するために、国際標準の20人学級に向けて、35人学級、30人学級など、少人数学級をすすめることこそ求められています。
以上のことから、私たちは、2023年2月に開会される大阪府議会に以下の項目を請願します。
- 大阪府立平野高校・かわち野高校・美原高校の募集停止決定を撤回し、3校を存続させること。
- 「3年連続して定員に満たない高校は再編整備の対象」としている大阪府立学校条例を抜本的に見直し、「定員」を理由にした高校つぶしは行わないこと。
- 少子化をチャンスと捉え、少人数学級の実現、学校規模の縮小など、すべての府立高校の教育条件を改善すること。
皆様のご協力を心よりお願い申し上げます。