睡眠中の窒息や突然死から幼い命を守る ― 厚生労働省のSIDS・窒息死予防ポスターに「掛け布団は使用しない」・「暖めすぎは危険」の明記を求めます!

睡眠中の窒息や突然死から幼い命を守る ― 厚生労働省のSIDS・窒息死予防ポスターに「掛け布団は使用しない」・「暖めすぎは危険」の明記を求めます!

開始日
2022年10月30日
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この署名で変えたいこと

睡眠中の窒息や突然死から幼い命を守る ― 厚生労働省のSIDS・窒息死予防ポスターに「掛け布団は使用しない」・「暖めすぎは危険」の明記を求めます!


日本人初の乳幼児睡眠コンサルタントの愛波文、ならびに愛波が代表を務めるSleeping Smart Japan株式会社は、政府に対し、乳幼児突然死症候群(SIDS: Sudden Infant Death Syndrome)や睡眠中の窒息防止のポスター等に「掛け布団は使用しない」「暖めすぎは危険」を明記することを求めます。


本件は既に一度個別で厚生労働省に現記載内容の改訂を求めましたが、その際は「欧米豪と日本では、気候や家屋構造、睡眠環境、育児慣習が異なるため、アメリカ小児学会や欧米豪の見解を当てはめることは出来ない」という趣旨の回答を得るに留まり、改訂には至りませんでした。


しかしながら、「掛け布団は使用しない」ことについては、後述する実際に日本で起きた乳児死亡事故の原因の統計を見ても、使用を推奨するほうが不自然かつ危険であることが明らかです。また、「暖めすぎは危険」とされる根拠についてはその国の気候や慣習に基づくものではなく、こちらも後述する乳児の未熟な身体機能の特性によるものなので、万国共通のSIDS予防策であると考えられます。


少子化が社会問題になって久しい日本で、これ以上死亡事故が起こる前に、守れるはずの幼い命を守りたい。

愛波が生活の拠点としている米国をはじめとする諸外国に比べ、正しい予防策が周知されていない日本の現状を一刻も早く変えたい。


これらを実現するため、どうかたくさんの皆さんのご賛同や拡散をお願いいたします。

 

【愛する我が子との突然の別れ】


昨日の夜「おやすみ」を言ったときはいつもどおりだった我が子が、朝起きたら冷たくなっていて、そのまま二度と目が合うことも、笑顔を見せてくれることも、泣き声を聞くこともなくなる―。


それまで元気だった赤ちゃんが、何の予兆や病歴のないまま、眠っている間に突然死亡してしまう、SIDSや睡眠中の窒息事故死。何の前触れもなく我が子を失ったご家族をはじめとするご遺族の無念や悲しみ、苦しみは計り知れません。


過日、SIDSや睡眠中の窒息予防をテーマにSNSで発信をしたところ、実際にSIDSや睡眠中の窒息でお子さんを亡くされたご遺族の方々からのメッセージが、愛波の元に続々と寄せられました。愛波自身2児の母であり、このようなメッセージを読む度に胸が締め付けられる思いです。

 

【窒息は0歳児の死亡事故の原因第1位】


令和4年に消費者庁が公表した「子どもの不慮の事故の発生傾向」によると、窒息は0歳で圧倒的に多いと報告されており、平成28年~令和2年のあいだに起きた0歳児の死亡事故350件のうち、77%にあたる271件が窒息事故でした。その中でもベッド内での窒息が43%と圧倒的に多いです。


乳児のご家族・保育者の方々にとって睡眠中の窒息死は決して他人事ではなく、条件が揃えば誰にでも起こり得ます。

 

出典: https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/meeting_materials/assets/consumer_safety_cms205_220328_03.pdf

 

【赤ちゃんの寝床から窒息の原因を取り除く】


ではリスクを下げるにはどうしたらよいでしょうか?


ベッド内の窒息の原因になり得るものとして、大人用の柔らかいマットレス、掛け布団、枕、ぬいぐるみ等があります。消費者庁のデータでは窒息の原因になったアイテム別の統計はありませんが、米国小児科学会は2022年新たに発表した論文で、掛け布団による窒息死亡事故件数が最多であることを明らかにしました。


また、米国では乳児の寝床には掛け布団、枕、ぬいぐるみ等は一切何も置かないこととされています。米国のSIDS予防や安全な睡眠環境の啓発ポスターに掲載されている参考イメージは、ベビーベッドに赤ちゃんが仰向けで寝転がっているだけのもので、ベッド内には枕も布団もありません。


米国ではブランケットの代わりにスリーパーなどに代表される、着用するタイプの寝具の使用が推奨されています。日本国内でも、赤ちゃん用品を販売している実店舗やオンラインショップ等で購入できるものです。

 

米国小児科学会論文:

https://publications.aap.org/pediatrics/article/150/1/e2022057991/188305/Evidence-Base-for-2022-Updated-Recommendations-for


米国のポスター:

https://www.nichd.nih.gov/sites/default/files/2022-10/NICHD_STS_2022_Handout_English508_0.pdf

 

【SIDSの原因にもなり得る「暖めすぎ」】


世界的にもSIDSの完全な予防方法はいまだ確立されていませんが、効果があるとされている予防策のひとつに、赤ちゃんを暖めすぎないことがあります。意外に思うかもしれませんが、着せすぎたり部屋を暖めすぎたりすると「うつ熱」という熱中状態になります。睡眠中の赤ちゃんが高体温になると、「熱を放出する」作用が生まれると同時に、「熱を作ることを抑える」作用が働きます。

熱を作ることを抑えるために身体は呼吸を休んだり、筋肉を使わないようにします。その結果、必要な酸素を取り込めず、乳幼児突然死症候群につながってしまうと言われています。


これを踏まえ、米国の最新のSIDS予防や安全な睡眠環境の啓発ポスターには「厚着をさせないこと」もしくは「暖めすぎないこと」が明記されています。


前述の米国小児科学会の論文にも、暖めすぎがSIDS発生のリスクを上昇させると複数の研究結果で明らかになったとされる一方、研究ごとに暖めすぎの定義が異なるため、現状これらの研究結果に基づいて明確な室温のガイドラインを導き出すのは困難だとしています。


このような理由で現在は室温〇℃といった明確なガイドラインはありませんが、睡眠時の赤ちゃんに最適な室温は大人が肌寒いと感じる程度と言われています。大人が少し寒いと感じたからといって赤ちゃんに追加で布団やブランケットを掛けるのは、窒息の原因になることに加え暖めすぎの原因にもなり、SIDS発生のリスクが上昇することを知る必要があります。

 

【厚生労働省のポスターの問題点】


日本でも毎年11月はSIDS対策強化月間となっていて、厚生労働省がポスター等を用いて普及啓発活動が行われます。


厚生労働省ポスター:

https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000846942.pdf


厚生労働省リーフレット:

https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000846943.pdf

 

しかし、乳幼児睡眠コンサルタントとしても2児の母としても、愛波は現在のポスター等に記載されている情報ではSIDSや窒息死防止の役割を十分に果たせていないと強く感じています。


前述のとおり、ベビーベッドの中に物が置かれている状態が窒息やSIDS発生のリスクを高めるのに対し、厚生労働省のポスター等のイラストではベビーベッドに仰向けで寝転がった赤ちゃんがブランケットを掛けていて、「掛け布団は軽いものを使いましょう」とも書かれています。一方で、同ポスター内に「口や鼻を覆ったり、首に巻きついてしまったりするものは(ベッドに)置かない」という文章も存在します。この二つの文章は明らかに矛盾しています。


小さい赤ちゃんでも寝ている間に動くことはあります。元々ポスターのイラストのように胸のあたりに掛けていたはずの軽い掛け布団が、保育者が少し目を離した隙に鼻や口を覆い、赤ちゃんの呼吸を妨げていた―ということが起こり得ると容易にご想像いただけるのではないでしょうか?


赤ちゃんの発達の観点から見ても、一般的に薄いハンカチを自分で顔から取り除けるのは生後6~7ヶ月以降と言われており、厚みに関わらず乳児に掛け布団を使用することが危険であることがわかります。


また、厚生労働省のポスター等には「うつ熱」に関する記載が全くないため、暖めすぎないことが有効なSIDS予防策としてほとんどの保育者の方々に知られていないのが現状です。

 

【睡眠の専門家からのメッセージ】

◇西野精治先生
欧米では、乳幼児突然死症候群の予防策として、仰向けに寝かせ、就寝時に掛け布団やブランケットを使用しないように推奨されています。
一歳ぐらいまでの乳幼児突然死症候群の発症危険年齢では、口や鼻を覆ったりする掛け布団なども使用も控えた方が安全だとおもわれます。
(スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所(SNCL)所長。代表著書に「スタンフォード式 最高の睡眠」。)

 

【小児科医からのメッセージ】

◇三池輝久先生
一歳ぐらいまでの乳幼児突然死症候群の発症危険年齢では、重量・質量に関わらず可能な限り口や鼻を覆ったりする掛け布団の使用は控えた方が安全である。
(熊本大学名誉教授。著書に「子どもの夜ふかし 脳への脅威」など。)


◇浦辺智美先生
消費者庁の資料には枕や掛け物が窒息のリスクになることが記載されており、"掛け布団は子供が払い除けられる軽いもの"と記載があります。薄いハンカチを顔から取り除けるのは生後6-7ヶ月以降、掛け布団が危険であることは国側が認識しているはずです。国が変わると生活環境が変わりますが、こどもの体の作りは大きく変わることはない、つまりこどもにとって危険であるものは変わらないはずです。日本のこどもたちの安全を守ってください。

◇太田みのり先生
掛け布団はSIDSと窒息の両方のリスクで、これは窒息死予防の観点からになってしまいますが、日本でも、睡眠中の窒息死の原因の10%(原因別で第二位)が、掛け布団が顔にかかったことによるとの報告があります。重い軽い関係なく、睡眠中の乳児死亡のリスクを下げるために、掛け布団を使用しないことを推奨するべきだと思います。


出典:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161024kouhyou_1.pdf


◇加藤有子先生
掛布団による窒息事故は、対岸の火事ではなく日本でも実際に起きています。未然に防げる事故で子どもが亡くなることは、是が非でも避けなければなりません。力ある皆様のご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

◇武知紹美先生
赤ちゃんの突然死や窒息死を防ぐために、安全な寝床についての認知・啓蒙をお願い致します。

◇宮川千春先生
SIDSや窒息のリスクである掛け布団の使用を防ぐことで、悲しい事故がこれ以上起こらないことを願っています。

◇斎藤直子先生
「避けられる死」を防ぐためにまだできることはあるはずです。


【政府に求めること】

乳幼児睡眠コンサルタントの愛波文、ならびに愛波が代表を務めるSleeping Smart Japan株式会社は改めて以下を政府と関係省庁に求めます。


乳幼児突然死症候群と睡眠中の窒息防止策として、「乳児の寝床には掛け布団を含め何も置かない」ことと「暖めすぎがSIDS発生リスクを高めるため、乳児は大人が肌寒いと感じるくらいの室温・服装で寝かせる」ことを政府が発信するすべての乳幼児突然死症候群と睡眠中の窒息防止に関する情報に明記する。

以上の要望が今度こそ政府や関係省庁に届き、実際に変化が起こるよう、どうかたくさん皆さまからのご賛同をお願いいたします。

 

Sleeping Smart Japan株式会社
代表取締役 愛波 文

 

【会社紹介】

Sleeping Smart Japan株式会社は日本人で初めて国際資格認定機関IPHIの妊婦と乳幼児睡眠コンサルタント資格を取得した愛波文が立ち上げた、寝かしつけや子育てに関するサービス、DtoC事業を手がける会社です。


愛波は米国ニューヨーク在住の2児の母であり、第一子出産後、自身が夜泣きや子育てに悩んだことから米国で乳幼児の睡眠科学の勉強をはじめ、現在は日本を代表する乳幼児睡眠コンサルタントとして講演や執筆等、幅広く活動。ママ・パパ向けに睡眠・子育て・教育について情報を配信する『愛波子育てコミュニティ』は、同種のサービスとしては日本最大規模に成長中。


著書に『マンガで読むぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方』(主婦の友社)、『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)、監修書に『ママにいいこと大全』(主婦の友社)など。慶應義塾大学教育学専攻卒業。

 

ホームページ:

https://aya-aiba.com/

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