2022年、5月頃に愛玩動物看護師法が施行されることは、動物看護師を目指す方、動物病院で働いている動物看護師の皆様ならご存じのことと思います。

国家資格となることは大変喜ばしいことなのですが、その受験資格の移行措置の内容ついて疑問に思うところが多々あった事、一般の方にも動物看護師の現状等を知ってほしいことなどを理由に、このキャンペーンを立ち上げました。

疑問に思ったこと

①私の話で恐縮ですが、私が認定動物看護師(民間資格)の資格を取得した際、当時の書類に『この資格があれば将来的に国家資格となった際、とても有利になるだろう』等と書いてあったと思います。ですが、現在どうでしょう？農林水産省の質問ページを見ると、『認定動物看護師は受験資格の要件ではない』とハッキリ書いてありました。認定動物看護師取得者のメリットといえば、講習会の負担が一部軽減されるくらいです。一生懸命勉強して認定動物看護師の資格を取得したのに、なんのためにこの資格をとったのか？と思いました。

また、動物看護師には、認定動物看護師だけでなく、他の民間団体からも動物看護師の民間資格が出ています。

 

②上記のとおり、法施行は2022年、そしてそこからの移行期間(現職の動物看護師のための特別措置)は5年間となっています。今現在、動物看護学校の在学者、2016年以降に動物看護学校を卒業した既卒者は、講習会のみの参加で受験資格がもらえます。

そして、2016年以前に動物看護学校を卒業したもの、また、動物看護学校を卒業しておらず、現職で働いている方は、現任者扱いとなり、講習会の他に予備試験に合格することで受験資格がもらえます。この現任者の場合、『動物看護学校修学歴+動物診療施設等の就業歴が5年以上』もしくは、『動物診療施設等で5年以上の実務経験』なのですが、例えば『既に社会人、動物看護学校を卒業していなく、前職は全く違う職種であり、今から動物看護師を目指したい方』がいらっしゃるとします。

そうなると、今から5年間実務経験を積んだとして、移行期間が5年間なのでギリギリ受験資格を取得できるかできないかの瀬戸際になります。ここで、もし受験資格を取得できなかった場合は、国家試験を受けられないということになります。移行期間の5年が経って、どうしても国家試験を受けたい場合は、動物看護学校へ、高い学費を払って入学し、卒業しなければなりません。また、現職の方でも5年間の間に講習会や予備試験を受け、合格しておかなれば受験資格は無くなるようです。(現段階では)

人間の看護師のように、古くから国家資格であったわけではないので、大変複雑な受験資格になっているからこそ、柔軟な対応策が必要と思います。

 

③動物看護師の低賃金問題は、特に現職の方ならほとんどの方が共感して頂ける内容ではないかと思います。現在ほとんどの動物病院は、長時間労働、残業代は固定制度、福利厚生が充実していない等、何かしらの問題があると思います。これが国家資格を取ることによって改善されるというのであれば皆試験に臨むと思いますが、現段階では分からない状態です。採血、マイクロチップ埋め込み等の業務ができるようになったとしても、給与が同じままならモチベーションが上がらないのは当たり前です。

愛玩動物看護師法の協議会では動物看護師の給与面の改善についての解決策等は出ているんでしょうか？この問題については今後の動物看護師業界を揺るがしかねないと感じます。

 

こういった点があり、5年間の移行期間の引き上げ、給与面の改善策をしっかりと検討してほしいです。そうでないと、社会人になってから動物看護師を目指そうとしている人や、動物診療施設での就業歴が足りないけど、熱意があって国家資格をとりたい人などに『諦めろ』と言っているようなものではないでしょうか？

また、給与面の改善が期待できない場合、国家資格となっても、現職の方は試験を受けない方も多いのではないかと思われます。(病院が人手不足で勉強する余裕がない、育児中で勉強する暇がないなどの方も)

 

私はこの件を『仕方ない』で終わらせたくなかったため、共感してくださる方がいらっしゃるのなら一緒に変えていけるのではないかと思いました。

まだ愛玩動物看護師法の施行までもう少しですが時間があるので、変わってほしいと思っています。よろしくお願いいたします。