STOP 理研の雇止め! 研究力低下をまねく雇用期間の上限を撤廃してください
STOP 理研の雇止め! 研究力低下をまねく雇用期間の上限を撤廃してください
この署名で変えたいこと
理研の研究者の雇止め、研究力低下をまねく雇用期間の上限を撤廃してください
発信者:理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク
宛先:五神 真 理化学研究所理事長
理化学研究所の五神真理事長は、2023年3月までに184名の研究者・技師らの雇止めを強行しました。しかし、雇止め撤回を求める研究者・技師5名の裁判闘争などにより、理研は雇い止めの口実にしていた通算雇用期間の上限規制(10年上限)を撤廃すると公約しました(「新しい人事施策の導入について」2022年9月30日)。
ところが、理研は「アサインド・プロジェクト」という雇用上限を任期付き研究者・技術者の全ての契約書に導入しています。これは研究プロジェクトのように、研究や業務に期限があるかのように誤解させることをねらったものです。そもそも研究は臨時的・一時的な業務ではなく長期的な見通しをもって行うべきなのに、「アサインド・プロジェクト」は研究内容やその進捗、評価に関係なく契約更新の上限を一方的に押し付けるものです。そのねらいは、労働契約法18条の改正により契約更新で通算10年を超えた有期雇用の研究者に与えられた無期雇用転換権(一般労働者は通算5年)を与えないことにあります。まさに、脱法行為のための詭弁です。研究が継続し、業務もあるのに、職を失う研究者・技術者が今後も生まれる危険があります。今年の3月末までに16名が雇止めされました。
私たちが看過できないのは、こうした「アサインド・プロジェクト」の導入により、日本社会の深刻な問題となっている研究力低下に拍車がかかることです。
理研は、新規採用者に対して、募集時、採用時に研究者・技術者に7年程度、事務系職員には5年以内の雇用上限を設け、それ以後は転出するように促しています。これは理研に限らず、全国の大学、研究機関で広がっています。実際に、労働契約法18条の改正後、任期付き雇用の研究者の任期年数が短くなり、雇用が不安定になっています。
いわゆる質の高い論文数(Top10%論文)の世界ランキングで日本はこの20年で4位から13位に転落しています。研究機関のランキングでも理研は2016年の72位から2023年は117位に下がっています(Nature Index:2016-2023)。研究力低下の原因は、若手研究者に有期雇用が広がり、雇用が不安定になることで、腰を据えて研究できる環境が無くなり、時間のかかるチャレンジングな研究が出来なくなっていることにあります。
理研の研究者の雇止め、研究力低下をまねく雇用期間の上限は撤廃するべきです。
2023年3月末に、チームリーダーから一研究員に降格となった研究者が地位回復を、雇止めで職を失った技師2名が復職を求めて裁判を継続しています。私たち理研の非正規雇用問題を解決するネットワークは、理研本部のある和光市周辺の市民、労働組合、理化学研究所労働組合の役員などによる有志グループです。理研による違法な雇止めは、日本の研究力に大打撃を与えた蛮行です。二度と繰り返さないために、以下のことを理研に要請します。
【要請項目】
・就業規則から「アサインド・プロジェクト」を削除し、雇用期間の上限を撤廃してください。
・2023年3月末に違法に雇止めされた技師2人をただちに復職させてください。
・同年3月末に降格、キャリアチェンジした研究者らをもとの地位、職場に戻してください。
意思決定者(宛先)
- 五神 真 理化学研究所理事長