#NoBarbenheimer 映画『バービー』と『オッペンハイマー』の配給会社に行動を求めます

#NoBarbenheimer 映画『バービー』と『オッペンハイマー』の配給会社に行動を求めます

開始日
2023年8月1日
現在の賛同数:23,886次の目標:25,000
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この署名で変えたいこと

署名の発信者 カクワカ 広島

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原爆投下の事実と被爆者の苦しみを消費しないでーーー。

7月21日、米国でバービー人形の実写版映画『バービー』と原爆を開発した物理学者の半生を描いた映画『OPPENHEIMER』(オッペンハイマー)が同時公開されました。2作品の鑑賞を促す「バーベンハイマー(#Barbenheimer)」というハッシュタグが流行するなど、米国内では両作品に多くの注目が集まっています。そんな中、映画の画像を切り取り組み合わせたミーム(ネタ画像)がSNS上に多数投稿されており、その内容は原爆投下による被害と被爆者の苦しみを無視する受け入れ難いものです。さらに、映画『バービー』の米国の公式X(旧ツイッター)がそうした投稿に対して、「It’s going to be a summer to remember(意訳:忘れられない夏になるね!)」などと肯定的なコメントをしました。

日本は戦争を始め、その戦争加害の末に、原子爆弾の被害を経験しました。まもなくその原爆投下から78年を迎えます。8月6日に広島原爆の日、そしてその3日後の8月9日には長崎原爆の日を控える中、これらの行為にお墨付きを与えている状況に怒りと深い悲しみを感じています

以下のような画像です。 

 

これを受けて日本時間7月31日以降、一連の動きを批判するコメントがSNS上に多数投稿されています。#Barbenheimerに対し、#NoBarbenheimer というハッシュタグが日本のXでトレンド入りしました。その中でも指摘されているように、これが仮に9・11やナチスを題材にした映画であった場合に、果たして同じことが起きたのでしょうか。

一方、日本で映画『バービー』を配給するワーナー ブラザース ジャパン合同会社は、31日午後6時24分、「映画『バービー』公式」Xアカウントを通じて<映画「バービー」のSNS投稿について>と題し声明を発表しました。文中では、「アメリカ本社の公式アカウントの配慮に欠けた反応は、極めて遺憾なものと考えており、この事態を重く受け止め、アメリカ本社に然るべき対応を求めています」「配慮の欠けた一連の反応について、不快な思いをされた方々には、お詫び申し上げます」としています。それを受けて翌8月1日(現地時間7月31日)、米ワーナー・ブラザースは各メディアに向けて公式声明を出し、「ワーナー・ブラザースは先の配慮に欠けたソーシャルメディアへの投稿を遺憾に思っております。深くお詫び申し上げます」と正式に謝罪した上、該当ツイートを削除しました。私たちはワーナー・ブラザースの迅速な対応を歓迎します。

しかし、原爆投下被害の軽視や誤った認識が社会にいまだ数多く存在するということが分かった以上、米ワーナー・ブラザースによるメディアに対する謝罪とツイートの削除だけでは不十分ではないかと考えます

そのため、わたしたちは以下の点を『バービー』の配給会社であるワーナー・ブラザーズと、『オッペンハイマー』の配給会社であるユニバーサル・ピクチャーズに求めます

  1. (ワーナー・ブラザースに対して、)
    原爆の合成画像に好意的なリアクションをしたことをSNSでも謝罪してください

    日本の戦争責任の結果、原爆が投下された1945年の末までに広島では約14万人、長崎では約7万4千人が亡くなりました。生き残った被爆者もさまざまな後遺症やトラウマ、社会的な差別に苦しみ、78年が経った今なお被害には終わりがありません。
    また、核兵器による被害は日本だけで起きているのではありません。ウラン採掘や核実験などによる被ばくは世界中で起こっています。オッペンハイマーが携わった核実験「トリニティ」も米国内に多くの被ばく者を生みました。公式アカウントによるSNS上の動きへの便乗は、原爆の被害と被ばく者の苦しみを無視することだと考えます。私たちにとって「忘れられない夏」とは、「映画が公開された夏」ではなく、「原爆が街と市民の命をもろとも破壊した夏」なのです。そして広島、長崎だけでなく世界中に存在する被ばく者が受けた被害は今もなお続いていることもまた、私たちが決して忘れてはならないことなのではないでしょうか。

  2. #Barbenheimerというハッシュタグの使用を控え、原爆を揶揄するような画像の作成・使用禁止を求める声明を出してください

    #Barbenheimerというトレンドの中、原爆被害を軽視する動きが頻発し、公式アカウントまでもそれに便乗してしまうという事態は看過できません。私たちは、人間の被害に立脚した責任ある発信を求めます。
    この署名は両作品そのものの価値やそれに携わってきた方々の思いを否定するものではありません。特に、映画『オッペンハイマー』が全米で公開され、原爆投下の是非について国内で再び議論が沸き起こっているという状況を私たちは歓迎します。いまだ世界に12,000発もの核兵器が存在するこの世界の現状を改めて問い直す動きが広がることは私たちの希望です。

  3. 再発防止策を実施してください

    戦争や原爆による被害が軽視され、揶揄されることは、残念ながらこれまで幾度となく繰り返されてきました。「不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした」といった謝罪のコメントが出ることがありますが、相手の受け取り方の問題に転嫁したり、中身の伴わない謝罪をしたりするだけにとどまるのは適切な対応だとは思いません。今後、同様の発信や、それに対する公式アカウントによる肯定がなされないよう、早急に上記の【要望2】を実施し、またガイドライン等でも規定を設けてください
    核の脅威が高まる今、今回のような事態を再び起こさないことは、核兵器の被害を二度と繰り返さないことにつながると考えます。

私たち自身がともすれば簡単に戦争に加担してしまうということを今一度認識したいと思います。被爆者の方々は、自分たちが若いころ、無批判に政府の考えを支持し、その結果戦争に突き進んでいってしまったことを私たちに伝えてくださいます。いつの時代も戦争で犠牲になるのは罪なき市民ですが、私たちもまたその犠牲を生み出すことに加担しているかもしれません。自分の中にある偏見や差別が、最悪の結果、戦争となりうることを、今の時代を生きる私たちは歴史から学ばなければなりません。また、「知らない」ことが差別につながると、今回の件でも明らかになりました。まだ知らない戦争被害や日本の加害責任がたくさんあります。これからも過去から学び、考え続けていかなければと思います。

今日から5日後の8月6日に、日本は78年目の広島原爆の日、そしてその3日後の8月9日には長崎原爆の日を迎えます。大切な日が近づく中で、このような事態が起こってしまったことが、本当に残念でなりません。被爆者の方々がこれを見ると思うと、胸が潰れる思いです核兵器廃絶を求め行動してきた日本に住む私たちは、現状の改善を求め、署名を集めます。ご賛同いただける方、ぜひご署名ください。そしてこの思いを世界に届けるため、拡散をお願いいたします。

2023年8月1日
広島・長崎を忘れない市民有志

よびかけ人

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