理化学研究所は約400人の研究系職員の雇止めをやめてください! 不当な雇用上限を直ちに撤廃してください。

理化学研究所は約400人の研究系職員の雇止めをやめてください! 不当な雇用上限を直ちに撤廃してください。

開始日
2021年10月21日
署名の宛先
理化学研究所理事長
現在の賛同数:23,894次の目標:25,000
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この署名で変えたいこと

署名の発信者 理研非正規雇用問題解決ネットワーク

English 日本語 厚労省・文科省宛て新署名

技師2名の復職と研究者の地位回復を求める署名

理化学研究所は約400人の研究系職員の雇止めをやめてください!

不当な雇用上限を直ちに撤廃してください。

発信者:理研の非規雇用問題解決ネットワーク 宛先:理化学研究所理事長

 理化学研究所の五神真理事長は、2023年3月末に約400人の研究系職員の雇止めを強行しようとしています。

2013年の労働契約法18条の改正などにより、研究者は有期契約が10年を超えた場合(一般労働者は5年)、労働者本人の申し出があれば無期雇用契約に転換することが使用者に義務付けられました(無期転換ルール)。2016年、理研は一方的に就業規則を変更して、無期転換権を与えないために起算点を2013年に遡及して10年の雇用上限を研究者に押し付ける不利益変更を強行しました。

 このため2023年3月末に約200人の研究者が雇止めになります(4月現在)。また、そこに含まれる研究室・研究チームの責任者47人が雇止めになることで、チームそのものが廃止となり、そこで働く研究系職員も雇止めとなります。その結果、合計で約400人の研究系職員が雇止めとなります。

 厚生労働省は「無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的で雇止めを行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましくない」と国会でくり返し答弁しています。また、就業規則で労働者に不利益変更をする場合には合理的な理由がない限り認められません。それは、最高裁の判例などで確立した原則となっています。

 理研による雇用上限の押しつけは、無期転換の適用を意図的に避けるための脱法行為です。変更の合理的理由もなく、労働契約法18条に違反します。こうしたなか、科研費で研究中の理化学研究所労働組合所属の組合員が、10年の雇用上限に達したというだけで雇止めとなるのは違法無効だとしてさいたま地方裁判所に訴えました。

 理研当局は“流動性は世界のスタンダード”と雇止めは当然だと開き直りますが、世界の科学雑誌「サイエンス」(7月6日付)や「ネイチャー」(7月19日付)は、研究者の“使い捨てだ”と批判しています。7月26日、追い詰められた理研当局は、雇用上限に問題があることを認めながら、撤廃は来年度以降に先送りにし、差し迫った来年3月末の雇止めは強行するという支離滅裂な回答をしています。

他の国立大学・研究機関でも2023年3月末に大量の研究者が雇止めの危機にあることが判明しました。そのなかでも理研の雇止めは、その規模でも違法性でも突出しています。理研における雇止めを許すならば、日本の「研究力の低下」や「頭脳流出」に拍車がかかります。理研の雇止めは国益に反するものであって、何としてもやめさせなければなりません。

 私たち理研の非正規雇用問題を解決するネットワークは、理研本部のある和光市周辺の市民、労働組合、理化学研究所労働組合の役員などによる有志グループです。趣旨をご理解のうえ、署名活動への一層のご協力お願いします。

【要請内容】

理化学研究所は、2023年3月末の約400人の研究系職員の雇止めを撤回してください。無期転換ルールの適用を意図的に避けるための雇用上限は直ちに撤廃してください。

(署名では当初「約600人の雇止め」をやめることを要求していました。これは、理研当局が2022年1月に、10年の雇用上限により296人を雇止めすることを認め、その中に含まれるチームリーダーが雇止めになることで約300人が雇止めになるとの理研労の推定値を根拠にしたものでした。

その後、理研当局が2022年4月に、10年の雇用上限による雇止めの人数は203人、その影響による雇止めは177人、合計で約400人が雇止めになることを認めました。

 雇止めの正確な規模が判明しましたので、署名の数字を更新し、その後の情勢の進展を署名に反映させました)

以上

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[2023年3月17日 追記]

雇止め撤回を求める理研労のストライキへの連帯を呼びかけます

3月17日 理研の非正規雇用問題を解決するネットワーク

◆理研労がスト権行使を大会で承認

 理化学研究所は、内外の批判に耳を傾けず、ついに今月末に380人の研究職員の雇止めを強行しようとしています。

これは、有期労働契約(期限の定めのある契約)が更新されて通算10年(一般労働者は5年)を超えたときに無期雇用に転換する「無期転換ルール」の適用を避けるための雇止めです。単なる労働問題にとどまらず、理研で現に継続している研究を強制的に停止させる行為であり、研究機関としては、まさに自殺行為ともいうべきものです。

 理化学研究所労働組合は、2018年以降、雇止め撤回を求めて、署名を集め、記者会見を開き、政府に要請し、理研と何度も交渉を行ってきましたが、理研は今月末での雇止めを断行しようとしています。

理研労はやむなく理研に対して、改めて雇止めの撤回などを要求し、応じない場合には3月29日にストライキ権を行使することを3月16日の大会で承認しました。

◆日本の研究力に大打撃となる大量雇い止め

 研究者の雇止めは、理研だけの問題ではありません。今月末、国公私立大学、研究開発法人などに雇用されている約6千人の非正規雇用の研究者が雇止めとなる危険に直面していることが、文部科学省の調査結果(2月7日公表)によって明らかになりました。雇い止めの危機にある研究者らはいずれも10年以上にわたって大学教育や研究に従事してきた実績のある人たちです。その人たちが、その能力と経験を生かす場を失うことは、日本の研究力に取り返しのつかない打撃となります。既に外資系民間企業に移った研究者もいます。日本社会にとっても大きな損失です。

 この中で、とりわけ悪質なのは理研です。理研は、10年の雇用上限を労働組合の反対を無視して2013年に押し付けました。これを理由に大量の雇止めを強行しようとしています。研究チームのリーダーの雇止めにより42の研究チームが解散に追い込まれます。このうち68人には、日本医療研究開発機構や日本学術振興会などから来年度の競争的資金として105件8億2250万円が交付される予定です。光で乳がんを発見するなど世界最先端の研究プロジェクトが中断に追い込まれ、これまで投じた競争的資金も無駄になります。

 「先細る『ノーベル賞人材』 日本、高評価研究者が半減 30年代、受賞急減も」――「日本経済新聞」が3月5日付の一面トップで報じました。世界で注目される日本の論文数は20年前と比べて13%も減少し、国別順位で4位から12位に転落しています1)。注目される論文数が減っているのは先進国で日本だけです。

 研究力が低下しているのは、正規雇用の研究者が減り、腰を据えて長期的視点に立って研究できる環境がなくなっているからです。

雇止めを許せば、多額の競争的資金を得られる優秀な研究者であっても10年しか働けず、「使い捨て」になるということになります。研究者をめざす若者はますますいなくなります。

◆「追い出し部屋」作ろうとする理研経営陣

 理研を始めとする研究者の雇止め計画に対しては、国際的な科学雑誌である「サイエンス」2)や「ネイチャー」3)が「研究者の使い捨て」と報道するなど海外からも批判されました。

 追い詰められた理研は、「雇用上限を撤廃する」などとした「新しい人事施策の導入について」と題する方針を昨年9月30日に公表しました。しかし、実際に「雇用上限の撤廃」するのは4月1日です。3月末の雇止めの強行をごまかすための詭弁です。

 新人事施策は、今後、研究・技術職員の新規募集が多数あることを示しました。雇止めになっても新たな職で救済されるかもしれないと思わせるものでしたが、その期待はことごとく裏切られています。

 とりわけ問題なのは、「理事長直下の技術支援職、研究支援職」です。これは10年の雇用上限を理由に雇止めとなる研究者に対して、研究支援職へのキャリアチェンジを希望した場合に、理事長直下の部署で2年間だけ雇用するというものです。これでは科学研究費補助金などへの応募資格が無くなるため、科研費などの外部資金を獲得していても、それを辞退し、研究を止めなければなりません。業務内容も明確でなく、2年間の間に職を探させる「追い出し部屋」という他ありません。研究は継続しており、理研労は現在の業務での雇用継続を求めています。

◆無期転換ルールの骨抜き

理研は、10年の雇用上限は撤廃するとしていますが、就業規則の改定で「アサインド・プロジェクト」という名称で契約期間の上限を従事する研究プロジェクト期間とは関係なく任意に設定し、雇止めの正当化を図ろうとしています。4月以降も研究者が従事する本来のプロジェクト期間に関係なく、雇止めが行われる危険があります。

 業務に関係なく契約期間の上限を押し付ける「アサインド・プロジェクト」のような契約を締結することが許されるならば「無期転換ルール」は完全に骨抜きになります。

 無期転換ルールの趣旨は、2008年冬のリーマンショック後に横行した”派遣切り”を再び起こさないために非正規雇用の正規化を図ることにあります。

 「アサインド・プロジェクト」による無期転換ルールの骨抜きは、理研の問題にとどまらず、日本の非正規雇用の労働者全体の問題です。何としても導入を撤回させなければなりません。

◆ストライキ ――労働組合として最有力な手段の行使に連帯を

 私たち理研の非正規雇用問題を解決するネットワークは、理研本部のある和光市周辺の市民、労働組合、理化学研究所労働組合の役員などによる有志グループです。2019年1月の結成以来、今年3月末に起きる研究者の大量雇い止めを阻止するために集会、署名、記者会見、政府への要請行動など、活動を重ねてきましたが、阻止するには至っていません。しかし、あきらめるわけにはいきません。

 ストライキは、労働組合にとって、その目的である賃金・労働条件の維持・改善を勝ち取るための最有力な手段です。

理研は非正規雇用が8割を占めますが、これまでは建前として研究業績を上げ続ければ定年まで働き続けられる職場でした。しかし、今回の雇止めの強行により、どんなに業績を上げたとしても、理事長やセンター長が認めない限り、10年以上は働くことができない職場となります。実際に、理事長特例での採用では、各センターが恣意的な推薦を行っており、誰をどのような理由で、どんな職、待遇で推薦するのか、理研としての基準がない状態です。

 研究業績が認められる組織から、上意下達が貫徹する組織に変質しかねません。理研の研究者がバラバラではこれを変えることはできません。

 理研労が雇止め撤回の意思を理研当局に対して最も強く表現するために憲法28条で保障されたストライキ権を行使することを、私たちは支持します。そして、市民のみなさんにストライキへの連帯を呼びかけます。

SNSなどを活用して、#理研の雇止めを許すな #理研労のストライキに連帯します の声を広げてください。メディアのみなさんは、違法な理研の雇止めの強行について報道してください。

1)   文部科学省 科学技術・学術政策研究所「科学技術指標2022」(2022年8月9日)

2)   Normile, D.: Mass layoff looms for Japanese researchers. Science, 377, 141 (2022).

3)   Hornyak, T.: I feel disposable’: Thousands of scientists’ jobs at risk in Japan. Nature, 19 July 2022.

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意思決定者(宛先)

  • 理化学研究所理事長