広島県農業ジーンバンクの存続を求めます!                                     【2023,2月13日0時終了;2023,5月最終報告】

広島県農業ジーンバンクの存続を求めます!                                     【2023,2月13日0時終了;2023,5月最終報告】

開始日
2022年12月12日
現在の賛同数:13,949次の目標:15,000
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この署名で変えたいこと

【2023,2月13日0時 署名終了しました;2023,5月最終報告です】
1988年から広島県の固定種の種子を守り、その採種方法を伝授している

       広島県農業ジーンバンクの存続を求めます!

広島県が所有する「広島県農業ジーンバンク」が2023年3月末日をもって廃止され、これに伴い広島県農業ジーンバンクにある約1万9000種の種子の殆どが国の農研機構に譲渡される、との説明がされました(2022,11月24日)。

ジーンバンクとは、生物多様性や農業分野などで有用な生物の遺伝子資源を保存するための施設のこと、遺伝子銀行、多くの生物資源を将来のために遺伝子レベルで保存しておくものです。
広島県農業ジーンバンクは植物の種子を保存し、生きている種子を後世に継いでいくシードバンク(種子銀行)の一つでもあります。

広島県農業ジーンバンクは失われつつある農産物種子の保存とその再活用を目的 として1988 年 12 月に設立されました。1970 年代にバイオ テクノロジーの技術が開発され、それ以降世界の遺伝資源保有国での資源の囲い込みが顕著となり、海外に遺伝資源の確保を求めることは殆ど不可能になりました。                     そのような中で広島県内に現存する作物種子を中心とした遺伝資源の探索収集を行い、遺伝資源を持つ国内の大学にも分譲をお願いし、可能な限り収集し2019年の時点で の保存点数は合計 18,600 点となっています。収集が落ち着いた後は当初の目的であった新作物の育成材料としての利用は景気の動向で見込めなくなり、代わって伝統野菜を中心とした在来作物の復活ブームを経て今に至ります。

広島県農業ジーンバンクが世界に誇る三つの特色

  •   第一は広島県という地方自治体の主体性を持った関与
  •   第二は種子の収集に農業 改良普及員 OB が深く関わったこと
  •   第三は集められた種子を県内の農家に無償で貸し出してきていたこと

2009 年から実施された「広島お宝野菜」プロジェクトでは青大きゅうり・観音ねぎ・矢賀ちしゃ・川内 ほうれんそう・笹木三月子大根などが県内の農業生産法人等に有望な品種として提供され、地域活性化に繋げられました。      例をあげれば福山が原産地の青大きゅうりは地元でも種子の入手がむずかしくなり、栽培者も消滅しかけていましたが、ジーンバンクが種子を提供、採種・栽培の支援を行うことで、旧世羅町で栽培が復活しました。
全国的に伝統野菜が人気を集めている今、広島の農業ジーンバンクは伝統野菜復活を支える重要な基盤として機能してきました。このような特徴を持ったジーンバンクはとても希少なのです。
(参照:「広島県農業ジーンバンクの歴史と未来」(一財)森林整備農業振興財団農業ジーンバンク現場補助員船越建明氏の報告書に龍谷大学西川芳昭氏が解説加筆,2019年)

種子条例とジーンバンク:                        種子法の廃止を受けて令和2年7月に広島県には広島県主要作物等種子条例ができました。
第一条には『奨励品種の種子の安定供給及び品質の確保を図り、もって本県農業の生産性の向上、持続的な発展及び食の安全に寄与することを目的とする。』とあります。広島県固有の作物は広島県での育成が適しています。種子を県外に持ち出すことは第一条の目的に矛盾すると考えます。

第三条には『本県農業の競争力の強化や県民への農作物の安定的な共給を基本とし、主要農作物の品種改良並びに種子の生産、普及及び保存に当たっては、地域の気象、土壌等の生産条件、消費者の需要動向等を十分に考慮するとともに、県民の理解を促しながら、生産者をはじめ、関係者との連携及び相互理解の下に行うものとする』とあります。
ところがJAのオンライン上の新聞に2022年11月10日に鈴木宣弘氏が広島県農業ジーンバンクの存続について寄稿されているように、関係機関であるJAに対しても連携、相互理解がなかったと思われ、農業関係者が多く所属する広島県農業ジーンバンクを守る会も決議後の説明会には参加できましたが、廃止の決定がなされた県ジーンバンク運営に係る検討会には参加の要請すらありませんでした。これは第三条に違反するものと考えます。
現在ジーンバンクを守る会でも、検討会の会議録の開示を求めています

時代と逆行する決定
遺伝資源が貴重になり、食料自給率の低い日本で食糧危機の不安も増加している昨今、国の機関に同じ遺伝資源があってもリスク分散のために広島を含む各地域にジーンバンクの仕組みがあることが重要と考えます。広島県の固定種は広島での育成に適しています。その面からも広島県に今在るジーンバンクの存続を求めます

食の未来の安定のため全国のみなさんの署名をお願いします!

締め切り2月中旬(延期しました)                              寄せられた署名は県知事・県議会に提出予定です(こちらでご報告します)               
発起人:広島県農業ジーンバンクを守る会 

2022,12月30日:ご報告とお知らせ
☆署名が3,000名を越えました、みなさんのご協力ありがとうございます!
農文協刊『季刊地域』2023年冬52号(2023,1月5日発売)に広島県農業ジーンバンクを取り上げて頂きました

2023,1月11日:ご報告とお知らせ
☆署名が9600名を越えました、ご協力ありがとうございます!
農文協刊『季刊地域』52号ゆるくらジャーナルにて原田順子氏のジーンバンクについての寄稿を読むことができます、リンク先からご覧下さい
農文協刊『現代農業』最新刊2023年2月号に森昭暢氏の寄稿が掲載されました(【意見異見167】内『広島県農業ジーンバンクを途絶えさせてはならない』、【読者のへや】内『ジーンバンクの機能は多方面から注目されている』) 

2023,1月14日:ご報告とお知らせ
☆1月11日に署名が1万筆を越えました、ご協力ありがとうございます!
長周新聞1月11日付第二面『県民が存続求め署名実施』にて広島県農業ジーンバンクについてと本署名活動を載せて頂きました

2023,1月31日:ご報告とお知らせ
☆署名が1万2,000筆を越えました、ご協力ありがとうございます!
☆1月30日にtssテレビ新広島にてジーンバンクが取り上げられました。広島県農業ジーンバンクを守る会の共同代表森もインタビューを受けています、是非御覧ください。こちらからも見られます→ TikTok☆

2023,2月9日:ご報告とお知らせ
☆署名が1万2700筆を越えました、ご協力ありがとうございます!
署名締切日は2023,2月13日午前0時となります、よろしくお願いします。
1月31日までの署名分を印刷し、2月13日までの署名分は提出する署名に筆数を添付する形となります。

☆本日広島県弁護士会より
広島県農業ジーンバンクの廃止につき再考を求める会長声明が出されました。

2023, 2月13日
0時丁度をもちまして署名の締切とさせて頂きました
 ご協力ありがとうございました!
署名の停止機能がなくこの状態のまま、署名の提出等のお知らせをさせて頂きます。報告を終えた後キャンペーンの終了となります。

2023,2月16日
☆2月15日
 こちらの署名と広島県農業ジーンバンクの存続を求める陳情書を
 広島県議会議長・農林水産局長・広島県知事に提出しました
 同日に全県議に陳情書と署名の呼びかけ文・筆数、広島弁護士会会長声明を添付した手紙を議会事務局を通してお渡ししました。

議長に提出

1月19日のお知らせで請願書としていたものが叶わず陳情書となったこと、ジーンバンクに対するお考えの質問状は会の中でも意見が異なり手紙に入れなかったこと、申し訳ありません。ご理解頂けるようお願い申し上げます。

この後はこちらで3月定例議会後のご報告をします。

2023,2月26日
中国新聞デジタル社説でジーンバンクが記事になりました。
「広島県ジーンバンク廃止 農の将来見据え再考を」

2023, 5月3日最終報告
ご報告が大変遅くなり申し訳ありません。議会とその後のご報告となります。

☆2023年1月25日の中国新聞で広島県農業ジーンバンクの廃止の記事が載りました。記事の中の種子の廃棄については広島県農業ジーンバンクを守る会にとっても初めて聞く話で、ジーンバンクの存続と、種子の廃棄の停止が会の中での課題となりました。
参考記事:中国新聞2023年1月25日
「広島県森林整備・農業振興財団(広島市中区)は、野菜や水稲の種子約1万8千点を保存して農家に無料で貸し出す農業ジーンバンク事業を3月31日で廃止する。県農業技術センター(東広島市)と国研究機関に6千点余りの種子は移し、残りは全て廃棄する。」
『ジーンバンク3月廃止』 有料記事見出しより  

ジーンバンクの廃止と前述の種子の廃棄の話題が下記の議会で出てきます

☆2023.3月1日県議会報告
県議会には請願ができず陳情となりましたが、2023 3月1日の広島県議会予算委員会にて山木茂議員が広島県農業ジーンバンクの廃止に伴う県民への説明についての質問しました 動画のリンクはこちら(冒頭から9分10秒まで)

文字起し

山木議員:
(予算特別委員会におきまして質問の場を頂き心より御礼を申し上げます)
広島県農業ジーンバンクについてお伺いします。広島県農業ジーンバンクが今月末をもって廃止されることが発表されました。ジーンバンクとは生物多様性の維持や、農業分野等での有用な遺伝資源を保存する施設のことであります。 本県が1988年に設立したジーンバンクは研究機関のみならず県内の農家が利用できるという特徴があります。この仕組みによって伝統野菜の栽培が復活し広島食文化の豊かさにつながってまいりました。 
広島県農業ジーンバンクを廃止を決定した経緯について改めて知事にお伺いいたします。

湯崎英彦知事:
広島県農業ジーンバンクは平成元年に設立して以降稲野菜類など種子の収集しそれらを維持保管することに加えて、研究機関や農業者へ配布する役割を担っており、一般財団法人広島県森林整備・農業振興財団が事業を実施しているところでございます。
種子の収集につきましては平成30年に終了、配布については年間20件程度で、栽培が定着している品種の多くは栽培者が自ら採取している状況でございます。一方施設の老朽化などの課題があることからこれまで収集してきた種子を将来に渡って維持・保管できる方法について検討を進めてきたところでございます。
その結果県ジーンバンクが担ってきた広島県固有の種子の維持・保管や配布にかかる業務を将来に渡って安心して引き継ぐことができる国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構に移すことに決定したものでございます。この農研機構につきましては固有の特性を持った種子を適切に保つことができる最新の貯蔵施設で種子の維持・保管が可能でございます。
また種子の配布については種子の配布を希望する方にはこれまで以上に簡易な手続きで利用できるようになっております。こうした経緯によりまして、広島県農業ジーンバンク事業としては終了することとしたものでございます。

山木議員:
農家のみなさんに配布すること担保されるという説明、ありがとうございました。
先日広島県農業ジーンバンクを守る会から中本議長、湯崎知事、農林水産局長宛に存続を求める陳情書が提出されております。同会のもとには存続を求める12,592名の署名が集まっております。ジーンバンクの廃止については県民の皆様の理解を得るために廃止に至る経緯や理由をできるだけ丁寧に説明する必要があると思います。
そこで提出された陳情書についてどのように受け止めておられるのか知事にお伺いをし、また県民の納得が得られるよう改めて廃止に至る経緯や理由について丁寧な説明をしていくべきではないかと考えますがあわせて知事のご所見をお伺いいたします。

湯崎知事:
提出されました陳情書につきましてはこれまで県ジーンバンクを利用されてきた方などから本県の特色ある農業の持続的発展のためにこれまで保有してきた種子を守り未来へ引き継ぐことが重要であるとの考えから存続をのぞんでおられるものと受け止めているところでございます。
これまで保有してきました種子につきましては設備や管理体制が整っている農研機構に譲渡することにより貴重な遺伝資源を将来に渡って引き継いでいくことが可能となります。これまでと同様に安心してご利用いただけるものと考えているところです。
県民の皆様への説明につきましてはこれまでも利用者の皆様への説明を行ってきたところでございますがさまざまなご意見をいただいていることからこれまでの経緯も含めまして譲渡後の種子配布の手続きや栽培方法などについてわかりやすく解説するなど丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。

山木議員:
農研機構の方がより将来に渡って安定的に継続することができるとの説明でございました
現在広島県農業ジーンバンクに保存している種子は1万8,000点でその中の6,000点が農研機構へ譲渡、ほかの1万2,000点が廃棄とのことだが、どのような基準で選定したのか、また廃棄される種子の有効利用についての要望も出ていますが合わせて農林水産局長のご所見を伺います。

大潟清農林水産局長:
譲渡する種子については県ジーンバンクと農研機構の保有する種子を照合し、農研機構が保有していない種子を譲渡、保有している種子は譲渡を行わないこととしました。譲渡しない種子については直ちにすべてを廃棄を行うわけではなく、利用者の皆様や市町など関係者のご意見を伺ながら有効な活用方法について検討していきたいと考えています。

山木議員:
1万2,000点について農家の方の要望があれば有効活用されるという答弁でした、ありがとうございます。
またジーンバンクを廃止することで県の農業技術研究の分野に影響がでることはないのか心配しております。経営戦略審議官にお伺いしたいと思います。

佐伯安史経営戦略審議官:
経営戦略におけるジーンバンクの活用状況といたしましては平成20年度には6件の利用がございましたが、平成21年度以降活用実績はない状況にございます。こうした中農業技術センターの新品種育成におきましてはセンターで保有している品種のほか国などの試験研究機関から育成に用いる品種や系統の譲渡を受けて実施できる体制が整っております。
またこれまでの新品種育成過程で得られたジーンバンクに保管された遺伝資源につきましてはジーンバンクから譲渡を受け農業技術センターで引き続き保管管理をしていくこことしておりジーンバンク廃止による影響はないものと考えております。

山木議員:
研究に対する影響もないとのことでございました。
要望をさせて頂きたいのですけれども、広島県農業ジーンバンクに保存されている種子は広島県の伝統野菜など県民の皆様のルーツに関わるものであります。陳情書が提出され存続を求める署名も12,000名を超えて集まっていることから県民の皆様の納得が十分に得られているとは思えておりません。
引き続き県民の皆様の納得の得られるように丁寧な説明を行っていくと共に種子の有効活用に向けた検討を行われるよう強く要望させて頂きまして次の質問に移らせていただきます。

以上です

県議会でジーンバンクの廃止と種子の廃棄が総括審査された後、3月末日をもって広島県農業ジーンバンクは廃止となりましたが、中国新聞1月25日の記事にあった種子の廃棄も停止となりました
現時点では1万2,000点の種子はジーンバンクの冷蔵庫で保管されており、県が種子の引受先(学術機関など)を探し、利用方法を検討している状態です。利用方法などについて広島県農業ジーンバンクを守る会のメンバーなどが今も県とやり取りを続けています。今後動きがあれば広島県農業ジーンバンクを守る会のホームページで報告できたらと思います。

こちらでの報告はここまでとさせて頂きます。
ご協力ほんとうにありがとうございました!

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