月収39,000円。賃金増×勤務時数減=給与額はプラマイゼロ、どころかマイナス。 学校司書を常勤にするための署名をお願いします。

月収39,000円。賃金増×勤務時数減=給与額はプラマイゼロ、どころかマイナス。 学校司書を常勤にするための署名をお願いします。

開始日
2022年11月1日
署名の宛先
文部科学省
現在の賛同数:7,893次の目標:10,000
声を届けよう

この署名で変えたいこと

署名の発信者 佐知緒 るか

公立学校の学校司書として、業務委託会社に身を置いている佐知緒るかと申します。

 時給1200円×6時間×週2日。 

2日は決められた上限で、自分でセーブしている訳ではありません。それも授業日に左右されるので、9月の基本給は57,600円、8月は0円でした。年収は468, 000円の見込みです。月平均にすると39,000円ですね。

お願いします。

「学校司書を、食べていける職業にしてください」

なにより児童・生徒にとって、教員にとって、学校という機能にとって、学校図書館は登校時から下校時まで開館する必要があります。毎日開館し、児童・生徒のために思いきり働く権利が学校司書にはあるはずです。

業務委託ではそれが十分に果たせません。法的にも学校司書が業務委託であってはいけないことは後述します。

 

児童・生徒のため、学校のため、学校司書を職業として成立させるため、私は学校図書館法見直しの提案をいたします。

 

1.       学校司書の原則正規職員化

月曜日から金曜日、8時30分から17時まで 学校図書館を開けさせてください。

職員会議に出席し、提案できる立場にしてください。

夏休みなど長期休業中にも仕事をさせてください。蔵書点検や選書・廃棄計画、残り半年分の掲示物づくりなど仕事はいくらでもあります。家に居づらい子どもの居場所を作ることもできますし、一日がかりのイベントを催すこともできます。一人で引率できる立場なら、他校との交流も企画できます。

それができる職員が必要です。正規学校司書を原則化し、常勤できる権利をください。

 

2.       自治体の直接雇用 (業務委託の撤廃)

改正学校図書館法Q&Aに業務委託は学校司書に該当しないと明記されているのに、業務委託を採用している自治体があります。学校司書という肩書の人をただ置けばいいのではなく、改正法の理念どおりに機能する学校司書が置かれなくては意味がありません。

学校設置者の直接雇用である必要性を周知し、違法な業務委託を排除してください。

困窮でどうしても全ての学校に正規常勤職員を置けない自治体には、「政令で定める規模(例:蔵書数が1万冊)以下の学校においては、当分の間会計年度任用職員をもって学校司書とすることができる」などの特例があってもよいと考えます。それでも職員会議に出られる立場で週5日配置を原則としてください。

 

3.       学校司書(会計年度任用職員の場合)の待遇

会計年度任用職員というのは本来、臨時的職務に対して年毎に任用する性質のものです。それがあちこちで永続的な職務に運用されており、低賃金や雇い止めの不安を生んでいます。

公立の学校司書は、基本的に一人職です。同じところに長くいるほど蔵書に精通した働きができます。メディア予算に限りがあることから、複数年かけた蔵書計画が必要な仕事です。

会計年度任用職員として雇用する際にも雇用年限を定めないでください。また待遇についても、司書資格を有する者にはそれに見合う報酬にしてください。

 

=== === ===

学校図書館法見直しの提案、としましたが、ここまでの3つは、実は法を大きく変えるものではありません。学校司書の法制化にあたって発行された解説パンフレット「改正学校図書館法Q&A 」に、きちんと明記されているようなことばかりだからです。 

ですが、多くの自治体が業務委託で運営しています。業務委託の違法性、直接雇用の必要性を、あらためてすべての学校関係者や多くの皆さんに認識していただきたいのです。

文部科学省の方は、今一度そのことを周知してください。

 

非正規図書館員の方の署名キャンペーンが話題になっているのは存じております。私も賛同しました。

「また図書館?」と思われる方も多いことでしょう。

けれど学校司書は一人職の現場。配置が無ければ図書館は閉じたままです。さらに業務委託採用は違法性のある話で、会計年度任用職員として働けている方とは事情がまた違うのです。

どうか、あなたの署名をいただけないでしょうか。

 

 

===学校司書について===

できましたら、「改正学校図書館法Q&A」や「学校図書館ガイドライン」に目を通してみてください。

学校司書は、平成26年に法制化、翌年施行された、学校図書館の蔵書管理や奉仕活動を担う職員です。空き家状態、委託やボランティアなどでただの貸本屋状態だった図書館を積極的に利活用するため、学校組織の人員として学校司書を置くように定められました。

司書は児童・生徒の発達段階や教育活動を考えてメディアを収集、組織化し、子どもでも使いやすいように整頓します。図書館に足を運んで利用してもらうために読書の楽しみが伝わるような展示や掲示で積極的にPRします。

資料をどう使ってどんな授業にしたいか、司書教諭と協力し、教員の指導案にそった資料をそろえて提供、授業に入って学習活動を支援し、子どもや教員を必要な情報に届かせます。時には教員に企画の提案もします。読み聞かせもします。

指導は教員に任せるサポート的事務職でありながら、館内で見守る大人が自分一人の時には指導的な声掛けが必要になる場面もあり、適切な判断が求められます。図書委員会があれば日常的な活動支援を任されるのは学校司書でしょう。

最近の図書館はサードプレイスとも言われます。自宅でも教室でもない、ちょっとした居場所を必要としている子どものための場所です。たわいないおしゃべりのなかで、悩みを打ち明けられることもあります。話に耳を傾けてガス抜きをし、必要なら教員につなげます。

こういう職務ですから、校長の指揮監督のもと、教職員との協力・連携は必須であり、職員会議や校内研修への参加も是とされています。専門は違えど、教職員と対等な職務として学校司書は位置づけられているのです。

 

===業務委託について===

業務委託は、「仕様書」で契約した業務を行います。仕様書にない業務はせず、現場で業務指示を受けることもできません。ですから校長や教員が直接何かを指示・依頼してはいけません。評価は仕様書どおりできたか否かなので、業務は標準化され、誰がやっても結果が同じになるはずの業務契約です。

学校司書の仕事が業務委託では違法性を伴うことがご理解いただけるでしょうか。

教職員との連携、子どもたちへの柔軟な対応、+αの発信を続けて進化を試みること。学校司書の職務は仕様書に書ききれません。それらを「学校司書業務全般」とくくって委託している自治体は、学校には「司書に直接指示をしないこと」と通達しています。指示の違法性を分かっているからこそ、するべき注意はした形です。指示も依頼も皆無で学校現場の司書業務が潤滑にまわるはずもないのに、その事実は見て見ぬふりです。

「○○業務全般」 こんな雑把な仕様書が通るなら、教員も栄養士も学校事務もすべて業務委託でできることになります。でもしない。資格を持った一人職、学校で子どもと直接かかわる責任ある職務の中で司書だけは「その程度の扱いでよい」とされているのです。司書のほとんどは女性ですが、女性は扶養の範囲内程度で働けばいいと考えているなら差別です。また、学校司書をその程度でいいと考えているなら職業差別です。

「業務委託では校長の指揮監督下にないから法の規定する学校司書には該当しない」 行政の方はこのQ&Aを読まれましたか?そのうえで業務委託を断行された理由を市民が納得いくように説明できますか?

学校長の指揮下で動く仕事を業務委託にすることは違法性があるのだと理解し、あなたの地元の学校はどうなっているか、ぜひ確認してみてください。業務委託だったら声を上げてあげてください。

 

===業務委託学校司書の実態=== (あくまでも一事例です)

業務委託は直接雇用と違い、自治体と学校司書の間に請負業者という組織が入っています。会社の利益も業務管理責任者の給料も自治体の事業費から捻出されます。同じ事業費なら直接雇用のほうが当然、司書の給料は増えますし、違法性もなくなります。では業務委託は誰のためのものなのでしょうか。

私の勤務する自治体では、事業者は3年契約です。業者決定の年に提案された仕様書は週5日の開館ができるものでしたが、決まった後の昨年・今年は週4日。うち2日学校司書が勤務し、他の日は貸出・整頓中心の人が開館しています。でも司書がいない日も、日々の授業は学校司書の働きを求めています。

これでいいと思われているなら職業としての学校司書を軽視しています。

また、たまにしか配置しないから毎日司書がいる意義が理解してもらえないままなのだとも思います。

私達はみな時給を昨年減額されました。今年は時給こそ微増しましたが、年間の配置日数を減らされました。年収は減ります。こんなことで子どもたちに関われる時間が減るのも悔しく思います。

政府がどれだけ賃上げをうたったとしても、勤務時数を減らされたらそれで終わり、それが私の知っている業務委託の現実です。業務委託では法令上の学校司書たり得ないと、改めて周知されるべきです。

 

=== === ===

ある子どもに言われました。「お給料安いって母さんに聞いた。僕らのためにこんなに働いてくれてるのに絶対おかしいよね。待ってて。教育長になって、僕がなんとかしてあげる」

私は幸せ者です。学校司書のお給料だけで生活していけなくても、やりがい搾取と言われても、こういう幸せをもらえるからいいと、ずっとずっと思ってきました。

別の子どもに言われました。「せんせーみたいな司書さんになりたい」

私はなんと言ったか、うまく答えられた気がしません。

気づかされました。学校司書になりたいと思ってくれる子どもの未来を守らなくてはいけないのですね。

もう一度お願いします。

「学校司書を、食べていける職業にしてください」

 

学校図書館の現実に関心を持っていただきありがとうございました。

あなたのお子さんや大切な人が「学校司書になりたい」と言ったらどう答えますか? 想像してください。そして、どうか署名をお願いいたします。ひとりでも多くの方にこのことをお伝えいただけますと幸いです。よろしくお願い申し上げます。

 

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意思決定者(宛先)