北海道の母なる清流の一つ、尻別川がピンチ!長流川もピンチ!分水嶺での国内最大級 巨大風力発電計画を止めたい!

北海道の母なる清流の一つ、尻別川がピンチ!長流川もピンチ!分水嶺での国内最大級 巨大風力発電計画を止めたい!

開始日
2022年7月1日
現在の賛同数:1,297次の目標:1,500
声を届けよう

この署名で変えたいこと

署名の発信者 〜 大滝そよ風の会 〜

オリックス株式会社
代表執行役

井上 亮 様

(仮称)清陵風力発電事業の中止を求めます

当計画は、以下の点において大きな問題を伴います。よって私達「大滝そよ風の会」は当事業の中止を求めます。

===========================

【はじめに】

 尻別川は支笏湖流域との分水界となるフレ岳の西方に源を発し、流域のぼぼ中央にそびえる羊蹄山を大きく迂回し、幾多の支川を合流して日本海に注ぎます。流路延長126km、流域面積1,640平方㎞の後志地方最大の河川で、清澄で豊富な水は多様な生物の生息・生育環境を保全し、農耕地を潤し、狭窄部の激流は発電用水として利用され1市5町2村の人々の生活を支えてきた母なる川です。

 今、この尻別川と太平洋に流れ出す長流川の分水嶺にあたるエリアに、御社オリックス株式会社は1機4200kw程の巨大風車(地上から160m弱)を45機も建造する計画を進めています。

 今回我々「大滝そよ風の会」がオンライン署名に踏み切った最大の理由は、多くの方々にこの事業計画の存在とその問題点を知って頂きたく、また後述の1~7の理由により我々は中止を求めているためであります。

 


1. 北海道知事意見でも厳しい指摘がなされた旧大滝風力発電事業計画の蒸し返し

 当事業計画は2015年のインベナジー・ジャパン合同会社による旧大滝風力発電事業計画の蒸し返しです。旧大滝風力発電事業計画は、配慮書の段階から大滝地区の住民、環境保護団体、各方面から大批判を受け、北海道知事意見でも厳しい指摘がなされ半ば異例の中止勧告的な内容を受けました

 その結果、最終的な準備書段階では、風力発電事業区域の牧場は「標高が低く強い風が見込めないことと地形改変による影響を相対的に低減させるために対象事業実施区域から除外した。」と記載されました。 

 何故標高も低く強い風が見込めない場所に、以前の計画と同じ4200kwの巨大風車を更に数を増して建造しようとしているのか、全く理解ができません。

 


2. 伊達市大滝区に関して

 当事業計画の予定地である北海道伊達市大滝区は、平成の大合併により伊達市と旧大滝村が飛び地で合併し、伊達市大滝区となりました。伊達市街地とは40km程離れており、伊達市街地が太平洋側に面しているのに対し、大滝区は支笏湖と洞爺湖を繋ぐ直線の丁度中間に位置する内陸部に存在します。

 パウダースノーで世界的に有名となったニセコやルスツも近く、美しい山々に囲まれています。

 また、日本一の清流の一つとされる尻別川の源流域であり、長流川の源流域でもあります。尻別川は最終的に日本海へ流れ、長流川は伊達市街地を通って太平洋へと流れていきます。つまり、大滝区はまさに分水嶺を有しています。

 オリックス株式会社は、まさにその貴重な分水嶺であり、近隣住民がその自然資本を活用して生活を営んでいる土地に、巨大風車4200KW を45機も建造する計画を立て、静かに話を進めています。

 

3. 土砂災害警戒区域の沢の上流も計画エリアに入っている

 当風力発電事業計画の配慮書(要約書)に、本計画での事業実施計画エリアが載っています。

 尻別川水系に近いエリアでは、その近傍に安江の沢という沢があります。春先や大雨時に大量の水が流れます。その沢の下流付近はハザードマップでも土砂災害警戒区域に指定されています

 その沢の上流付近に巨大風車を建造されては、土砂災害の危険度は更に増す事となるでしょう。安江の沢はその下流で自然資本を活用して生活している住民にとって死活問題であり、かつ日本一の清流の一つとされる尻別川本流の上流部に直結するため、川の生物にとっても死活問題です。

 しかし、どういうわけか配慮書のp. 36に記載されている「表3-1 事業実施想定区域及びその周囲における主な地域特性 - 水環境」では、尻別川水系においては安江の沢は勿論、尻別川本流の上流の事が記載されておらず、やや離れた尻別川の支流のことだけが記載されています。都合の悪い箇所は抜いているとみられても仕方ないように思います。  

 長流川水系に近いエリアでは、予定地域の大半が水源かん養保安林となっています。大滝は時々大雨の降る地域であり、新たな工事用道路や管理用道路建設のため、稜線の保安林を伐採・造成した場合、土砂崩れを起こす可能性があります。   

 


4. 湧水への影響 

 当発電事業計画エリアは先述したとおり、尻別川と長流川の分水嶺にあたります。冬は大量の雪が降り積り、貴重な水資源の宝庫です。事業計画エリアの牧場の麓では、湧水を活用して水わさびの栽培もされています。また、その湧水で生活している住民が居ます。

 巨大風車を建造する際の基礎や杭等が水脈に当たる可能性は否定できません。オリックス株式会社の担当者にその住民が湧水に関して尋ねたところ、地下水脈については「神のみぞ知る」という言葉を交え、風車建造により湧水が減少もしくは止まったとした場合、「因果関係が立証されていれば、会社として誠心誠意責任を持って対応します」と答えました。しかし、これもまた後述の健康被害と同じで、風車が原因と立証することは困難です。

 仮に風が充分に吹かず風力発電事業が採算の合わないものとなった場合、どうするのでしょうか。先述の旧大滝風力発電計画の際の住民説明会において、住民が「採算が取れなくなった場合、風車を撤去するのか」と質問したところ、担当者は「買い手は沢山いるので大丈夫です」と答えました。

 そのような回答が以前の計画であったことを考えれば、水資源欲しさに採算が取れなくなった風力発電事業を土地とともに買い取る企業が現れてもおかしくないのでは、と疑念を抱くのも仕方がないことのように思います。

 


5. 自然生態系及び景観への影響

 予定地域には自然度の高い自然林が含まれており、ヒグマが多数生息しています。工事で住処を追われたヒグマはどこへ行くのでしょうか。尻別川を跨ぎ、長流川を跨ぎ、人里へと下りてくる可能性は否めません。実際、インベナジー・ジャパン合同会社の留寿都風力発電事業が着工に入ってから、熊が出ないとされてきた尻別岳や羊蹄山で熊が目撃されるようになりました

 また、野鳥の生息地や渡り鳥のルートとしても重要な地域です。実際、北海道内においては天然記念物などの希少鳥類などが風車の羽に巻き込まれて命を落とす例が発生しています。以下は「日本野鳥の会 室蘭支部」が大滝地区での風力発電計画が中止されるべきであると考える理由をご紹介します。

 

①    事業実施計画区域は支笏・洞爺の自然保護地域を結ぶコリドーであり、牧草地、二次林といえども大規模な改変は支笏洞爺のまとまった生態系を守るうえであってはならない。すでに計画が進んでいる留寿都風力発電計画と合わせて、もしこの計画が進められれば支笏・洞爺の生態系のつながりを分断することになる。

 

②    事業実施計画区域は長流川の源流域として水源涵養保安林に指定されており、長流川の保全に重要な役割果たしている。その中核に風車建設は河川の保全上、生態系の保全上あってはならない。

 

③    事業実施計画区域は支笏湖鳥獣保護区、IBA,KBAに接しており、風車建設の4年ほど建設機材、運搬車両などの工事・騒音で保護エリアに大きな影響を与え続ける。

また稼働後もローターの回転による騒音、超低周波音、影等、広範囲にわたって保護エリア内の鳥類をはじめ動物の生態系におきな影響を与え続ける。

 

④    事業実施計画区域は絶滅危惧種のイヌワシの、クマタカの生息地域で計画は重大な影響を与えることが懸念される。

 

⑤    事業実施計画区域は長流川河口で越冬するオオハクチョウ、マガン、カリガネ、ヒシクイの渡りのルート上であり、風車が障壁となりルート変更を強いられたり、バードストライク等の重大な影響が懸念される。

 

⑥    高さ160mにも及ぶ巨大風車45基の設置は支笏・洞爺の自然景観を完全に破壊する。留寿都風力は洞爺湖周辺の自然景観を破壊することになるが、さらに今計画では支笏湖からも風車が見えてしまう。両風力発電計画により、支笏洞爺国立公園の自然景観が破壊される。

 

6. 近隣の自治体にも影響する

 尻別川本流は喜茂別町、京極町、俱知安町、ニセコ町、蘭越町といった多くの町を流れます。長流川本流は壮瞥町、伊達市を流れます。様々な場所で、道内はもとより国内外の方々が様々なアクティビティを通して自然と触れ合っています

 伊達市のみならず近隣の地域住民もこの自然資本を活用し、生活を営んでいます。近隣には世界的に有名となったパウダースノーが降り積もるルスツリゾートやニセコアンヌプリ、蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山や尻別岳など、国内外から多くの方々がスキーやスノーボードなどを楽しむ山々が存在します。

 当然それらの山々からこの巨大風車が乱立している様を見る事となるでしょう。風力発電所を建造する土地やその立地市町村だけの問題ではありません

 

7. 健康被害についての懸念

 今回問題となっている(仮称)清陵風力発電事業では、これまでにない巨大な風車を高密度で使用します。さらに山間部では音の反響などが生じ、影響評価が困難になります。そのため、私たち住民の健康被害についても懸念しています。

 大規模風車周辺で聞こえる夜の静けさを打ち破る騒音。それだけでなく、巨大風車が発する音には低周波音·超低周波音という耳では聞こえない音、振動があります。

 オリックス株式会社が四国の四万十町で計画していた巨大風力発電事業の際に四万十市で開いた説明会では、建設後に体調不良を訴える住民などが出た場合は、「因果関係が立証されていれば、会社として誠心誠意責任を持って対応します」と答えたとあります。

 しかし、大規模風力発電所が建設されるようになってからの歴史は浅く、国にも学会にも蓄積されたデータは少なく、健康被害と風力発電の因果関係を立証することは現時点では困難です。健康被害の症状はめまい·頭痛·血圧上昇·不眠など自律神経失調症に似た症状として現れ「風車病」といわれていますが、個人差も大きく、風車が原因だとの診断は出ないこともあり、保障はされません。また周辺住民だけでなく、計画地の山で働く方にもどのような影響が出てくるのか、懸念しています。

 

【おわりに】

 確かに脱炭素は重要な事でしょう。再生可能エネルギーを活用する術を模索する必要があることも理解しています。しかし、再生可能エネルギーのために、貴重な分水嶺や水資源も豊富なこの地を再生不可能にすることを見過ごすことはできません

 電力を生み出すために、投資家への配当のために、地域経済から離れていく利益のために、この地を再生可能エネルギー開発植民地とするのは辞めて頂きたい。

 この地に住む子供達の将来のためにも、この地の環境に癒されている多くの人々や多様な生物のためにも、私たちの誇りであるこの地の自然と景観を破壊する可能性の高い巨大風力発電事業は、必要ありません

 

 御社の企業理念をHPで拝見いたしますと、行動規範ですべての法律、ルールの遵守とその精神の遵守、環境への配慮が定められています。

 一方で、今回の配慮書には「ゼロオプションはない」と記載されていますが、計画段階で風車建設が環境に配慮して可能なのかどうかを検討するための配慮書であることを考えれば、ゼロオプションがないということが配慮書に記載されているのはおかしくないでしょうか。法の精神を理解していないという事にはならないでしょうか。

 2019年9月には、オリックスグループ サステナビリティポリシーが策定され、2章優先課題として 環境エネルギー事業において 生物多様性の保全が掲げられています。ここまで企業の活動の社会的責務を明確に定めてある御社に、我々の意見、要請についても真摯に受け止めていただけるものと大きな期待を持っております。

 


 一刻も早く、事業計画の中止の決断をお願い致します

 

大滝そよ風の会
尻別川の水産資源を守る会
日本野鳥の会 室蘭支部

声を届けよう
現在の賛同数:1,297次の目標:1,500
声を届けよう
このオンライン署名のQRコードです。スマートフォンなどの画面上で表示させるほか、ダウンロードしてチラシやポスターなどの印刷物に使うこともできます。QRコードをダウンロードする