劇場をアクセシブルに 鑑賞に障害がある人もない人も一緒に楽しめる劇場を作ってください!!

劇場をアクセシブルに 鑑賞に障害がある人もない人も一緒に楽しめる劇場を作ってください!!

開始日
2023年10月12日
署名の宛先
東宝株式会社
現在の賛同数:21,035次の目標:25,000
今日は77人が賛同しました

この署名で変えたいこと

署名の発信者 We Need Accessible Theatre !

はじめまして。私たち 「We Need Accessible Theatre!(ウィー・ニード・アクセシブル・シアター)」は舞台ファン、舞台関係者、手話通訳、文字通訳、音声ガイド制作者 等が集まっているグループです。
普段は個々に活動をしていますが、帝国劇場の建て替えに関する報道をきっかけに連帯するようになりました。
「Accessible(アクセシブル)」という言葉は、行きやすい、利用しやすいという意味です。劇場を障害の有無にかかわらず誰もが行きやすく、楽しめる場所に、という思いを込めてこの署名活動を立ち上げました。

この署名活動は、帝国劇場を運営する東宝株式会社と、国(文化庁、国土交通省、厚生労働省、経済産業省、内閣府)に対して、以下の対応を要望しています。

1.東宝株式会社は2025年の帝国劇場建て替えに際し、観劇経験のある障害当事者の声を聞き、みんなで楽しめる劇場を作ってください

2.国は障害​がある観客も舞台芸術を楽しめるよう、劇場のアクセシビリティに関連する横断的な法令の整備と、具体的な指針を示してください。
また、観劇サポートを実施するための費用等の助成や支援を増強してください

私たちには、特定の劇場を批判する意図はありません。
日本で最高峰のエンターテインメントの殿堂がアクセシブルな劇場に生まれ変わってくれたなら、きっとその後にたくさんの劇場が続いていってくれる。誰もが劇場で喜びや感動を共有できるようになる。
そんな象徴的な意味と大きな期待を込めています。

また、多くの劇場が障害の有無にかかわらず誰もが楽しめる場となるためには、国による法令の整備や指針の策定、助成は欠かせません。

素晴らしい作品を観て、皆と一緒に笑い、涙した経験は、いつまでも思い出として残り、明日への希望や生きる糧となります。誰もが劇場で喜びや感動を享受できるよう、皆様の力を貸して下さい。どうぞよろしくお願いいたします!


【手話動画】
活動の趣旨について手話で説明しています。
字幕・音声ガイド付き。

 

 

手話表現:長井恵里
音声ガイド:美月めぐみ
字幕:YouTubeから 設定(歯車)>字幕>日本語
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ここからは現在の劇場における課題について説明させていただきます。多くの方に知って頂けたら嬉しいです。

皆さんは、帝国劇場に行ったことはありますか?
行ったことはなくても、名前は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。東京の丸の内にある帝国劇場は日本で最も歴史ある西洋式劇場で、最高峰のミュージカルの発信地として全国からファンが集まってきています。

 

写真:劇場のおもて「帝国劇場」の看板と舞台「レ・ミゼラブル」のポスター

 

一歩足を踏み入れれば、中は別世界。豪華な館内には美しいステンドグラスや由緒ある美術品が飾られています。舞台上では素晴らしい物語が生まれ、語り継がれてきました。110年以上の歴史を積み重ねてきた帝国劇場は、演者はもちろん観客にとっても、まさに憧れの劇場です。

 

写真:広々としたホワイエ。窓はステンドグラス。壁には喜怒哀楽の仮面が飾られ、階段の傍には輪のような大きなオブジェが置かれている

 

しかし、そこでの観劇を心から楽しむことが難しい人たちがいます。
それは障害がある舞台ファンです。
一緒に活動するメンバーから伺ったお話をいくつか記します。

<車いすユーザーのAさん>
ずっと応援してきた俳優さんの影響でミュージカルファンになり、人気の作品を観るのを楽しみに帝国劇場を訪れました。
しかし、車椅子席は最後列の端や扉の真横にしかありません。最後列から目をこらして観劇しましたが、前列の人の頭で舞台が見えませんでした。別の日に扉の真横で鑑賞したときは、本来の客席からは見えないはずのキャストの動きが見えてしまいました。
幕が下りスタンディングオベーションが起きると、舞台上は全く見えず、自分の拍手に応えてくれる出演者の笑顔も見ることが出来ませんでした。
他の観客がスムーズに、満足げに帰っていくなか、毛足の長いカーペットに車椅子の車輪がとられてしまい、「同じ舞台ファンのはずなのに、なぜ私はこんなに悲しい気持ちになっているんだろう…」と、落ち込みました。

<耳がきこえないBさん>
大好きな作品が憧れの帝国劇場で舞台化されると知り、聴者の友人とワクワクしながらチケットを購入しました。私はリアルタイム字幕や舞台手話通訳、ヒアリングループ等の観劇サポートがあれば、舞台を皆と一緒に楽しむことができます。そこで、事前に劇場に相談しましたが断られました。
鑑賞当日、台本データを閲覧する端末を借りることができました。しかし台詞に合わせてリアルタイムで文字が出る字幕とは違い、台本データは役者さんがどの台詞を話しているのか分かりにくかったです。
カーテンコールでも役者さんのトークを手話通訳や文字通訳で理解することが叶わず、周りは盛り上がっていましたが寂しい気持ちで一杯でした。また、友人も舞台を観た喜びや感想を一緒に語り合うことが出来ず、残念そうでした。

 <全盲のCさん>
40年来の舞台ファン。帝国劇場で上演される舞台のチケットを購入しようとしましたが、チケットサイトのアクセシビリティに難があるため人に購入を頼まなければなりませんでした。電話によるチケットの申し込みが始まるのは一般販売の終了後。電話がつながった時には既に売り切れていました。一人で楽しみたいと思っても介助者が必要で、そのチケット代も高いハードルでした。
人に頼んで何とかチケットを入手、リーズナブルな2階の席を選びました。しかし劇場に足を運んだところ、2階席の通路の階段がとても急で昇り降りの度に怖い思いをしました。作品を楽しむための音声ガイドもありませんでした。


以上のようなことは帝国劇場だけでなく、他の劇場でも起きています。
その他の障害や、LGBTQ+当事者の方々も含め、鑑賞に障害のある舞台ファンは心から劇場や作品を楽しめないことがいまだに多いのです。

こんななか、帝国劇場が建て替えられるというニュースが昨年発表されました。

 

写真:帝国劇場の全容

 

今の帝国劇場が建てられた50年前は、障害ある舞台ファンが観劇をすることは一般的ではなかったかもしれません。しかし舞台ファンの裾野も広がり、障害者差別解消法も大幅に改正されたこの時代。
帝国劇場が、障害の有無を問わず、誰もが観劇を楽しめる場所に生まれ変わってくれたなら…こんなに嬉しいことはありません。

私たちはそんな気持ちを込めて、建て替えの際には障害のある観客の声を聞いて欲しいという要望を、帝国劇場を運営する東宝株式会社にお送りしました。しかし、良い返答はありませんでした。


舞台芸術は人の心を豊かにしてくれるもの。そして劇場のように公共性の高い施設は障害の有無にかかわらず誰もがアクセスし楽しむことができる場でなくてはなりません。

この署名活動は、鑑賞に障害のある人やその周囲の人々のためだけでなく、すべての舞台ファンのためでもあります。なぜなら社会の高齢化が進む中、観劇のサポートやバリアフリー設備を必要とする人は増え続けているからです。人生の途中で鑑賞に障害を感じるようになる可能性は誰にでもあるのです。

新たに建てられる劇場や、帝国劇場のように建て替えられる劇場に、障害ある当事者の声を届けたい。そして一緒に改善し、皆が喜ぶ劇場にしたい。これが私たちの願いです。

誰もが劇場で喜びや感動を享受できるよう、皆様の力を貸して下さい。
賛同のコメントも頂けましたら、さらに励みになります。
どうぞよろしくお願いいたします!


◆この署名に関する連絡先 wnatgroup@gmail.com
 ※署名フォームへのご入力が難しい方は、メールでご連絡ください
◆Twitter(X) https://twitter.com/55_theatre



【アンケート実施中!】
賛同人の皆様へのアンケートを実施しています。
詳細はこちら→https://chng.it/NQYWmT59MY  ⇒終了しました

【署名活動を紹介していただきました!】
・東京新聞 TOKYO Web:『帝国劇場、聴覚障害者も利用しやすい劇場に生まれ変わって 建替えに際し署名活動』(2024年1月31日付)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/306235

・舞台制作PLUS:『障害の有無にかかわらず誰もが楽しめる劇場になってほしい 「We Need Accessible Theatre!」が署名活動を展開』(2024年3月12日付)
https://seisakuplus.com/news/?p=54154


【参考情報】

1)劇場や舞台芸術におけるアクセシビリティに関する法令について

令和3年5月に障害者差別解消法が改正され、令和6年4月1日から事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されます。しかし、合理的配慮を実現するためには、劇場に設備がなくては対応できないものも多くあります。

劇場や舞台芸術のアクセシビリティに関する法令には、聴覚や視覚に障害のある観客が舞台作品を楽しむための観劇サポート(リアルタイム字幕、舞台手話通訳、音声ガイドなどの付与、補聴システム設置)等について具体的な記載がありません。
障害のある観客が劇場で作品を楽しむことが出来るよう、より具体的で実効性のある法令が整備されることを望みます。

障害者差別解消法
バリアフリー法
文化芸術基本法
障害者による文化芸術活動の推進に関する法律
東京都福祉のまちづくり条例


2) 国内の建て替えにおける先行事例① 新国立競技場

2021年東京オリンピック・パラリンピックの際に建てられた新国立競技場は設計段階でワークショップを開き、障害当事者の意見を聞いて作られました。
「新国立競技場整備事業におけるユニバーサルデザインワークショップについて」
「新国立競技場完成視察 アクセシビリティの世界基準を満たした日本初のスタジアム みなさん、新国立競技場に行ってください!」


3) 国内の劇場建て替えにおける先行事例② 国立能楽堂・歌舞伎座 等

国立能楽堂や歌舞伎座には字幕システムがあり、きこえない・きこえにくい観客や外国語を母語とする観客も舞台を楽しむことができます。きこえる観客にとっても字幕があることで内容が分かりやすくなります。

参考)国立能楽堂の字幕システム(リンク先に写真があります)
https://www.ntj.jac.go.jp/sp/nou/caption_system.html

※歌舞伎座は現在字幕の提供を休止中 


呼びかけ人・賛同者(順不同・敬称略)

・尾上浩二(DPI日本会議副議長)
・久保厚子(全国手をつなぐ育成会連合会 顧問)
・廣川麻子(NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク理事長)
・石川絵理(NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク事務局長)
・松森果林(聞こえる世界と聞こえない世界をつなぐユニバーサルデザインアドバイサー)
・美月めぐみ(バリアフリー演劇結社ばっかりばっかり役者)
・鈴木橙輔(バリアフリー演劇結社ばっかりばっかり主宰)
・方山れいこ(株式会社方角代表)
・岩崎千絵美(千葉県アイパートナー協会理事)
・水藤みつみ(TA-net舞台手話通訳者)
・菅波尚子(文字通訳者)
・山崎有紀子(聞こえない宝塚歌劇ファンの会主宰)
・椎名真生(舞台ファン)
・萩原彩子(筑波技術大学)
・藤木和子(弁護士・手話通訳士・聞こえないきょうだいをもつSODAの会代表)
・伊藤芳浩(DPI日本会議 特別常任委員・NPO法人インフォメーションギャップバスター理事長)
・金子真美(一般社団法人 日本演出者協会)
・今井雅子(脚本家)
・森田かずよ(俳優・ダンサー/Performance For All people CONVEY主宰)
・大橋弘枝(俳優、演出家、プロデューサー)
・平塚千穂子(シネマ・チュプキ・タバタ代表)
・東ちづる(俳優・一般社団法人Get in touch 代表)
・吉野さつき(愛知大学)
・鈴木京子(国際障害者交流センター ビッグ・アイプロデューサー(副館長))
・栗栖良依(認定NPO法人スローレーベル芸術監督、東京2020パラリンピック開閉会式ステージアドバイザー)
・相馬杜宇(劇作家)
・大河内直之(東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野特任研究員/NPO法人バリアフリー映画研究会理事長)
・佐多直厚(コミュニケーションデザイナー)
・中村茜(株式会社precog代表取締役、パフォーミングアーツプロデューサー)

今日は77人が賛同しました
現在の賛同数:21,035次の目標:25,000
今日は77人が賛同しました
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意思決定者(宛先)

  • 東宝株式会社
  • 都倉 俊一文化庁長官
  • 斉藤 鉄夫国土交通大臣
  • 武見 敬三厚生労働大臣
  • 齋藤健 経済産業大臣