教員5,000人が休職!子どもにも影響が…。月100時間もの残業を放置する「定額働かせ放題」=給特法 は抜本改善して下さい! #教師のバトン

教員5,000人が休職!子どもにも影響が…。月100時間もの残業を放置する「定額働かせ放題」=給特法 は抜本改善して下さい! #教師のバトン

開始日
2022年4月27日
現在の賛同数:83,204次の目標:150,000
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この署名で変えたいこと

 昨年行った全国調査によると、現職教員の3人に2人が「過去2年間に辞めたいと思ったことがある」と答えました。
 持ち帰り仕事を含めた平均残業時間は小学校で97時間超、中学校で114時間超。過労死ラインをとっくに超えています

 7割以上が「いじめを早期発見できているか不安だ」6割以上が「準備不足のまま授業に臨んでしまっている」など、過酷な働き方が子どもの教育にまで影響を与えています。※1

 国の調査では、うつ病など精神疾患から休職に陥る教員は毎年5,000人以上。※2
 こうした事態がずっと放置されるのは、50年以上前に作られた「定額働かせ放題」=《給特法》が、学校の労務管理をおざなりにしてしまうからですーー

 私は、現職教員です。
 数年前から、教え子が教師を目指すのをためらうようになりました。
 実際に、公立教員の倍率は下がる一方です。
 今年4月には「教員不足」から、教員免許を持っていなくても教壇に立てる制度を積極活用するよう国が緊急通知を出すほどになりました。

 なぜ若者が教職を敬遠するのでしょうか
 それは教職に魅力がないからではなく、「過酷な労働環境」が知れ渡ったからです
 本当は教師になりたいのに、「ブラック企業」には勤められないと夢を諦める若者たち…。
 悔しくてたまりません。
 今や子どもからも、「先生の残業時間を少なくしてほしい」という声が上がるほどです

▼教員志望学生の声
教員志望の学生が減っている理由は「長時間労働など過酷な労働環境」と94%が回答(日本若者協議会調べ)

▼小中学生の声
「先生方が、残業しているところを最近よく目にします。それなのに朝は早く学校に行くことが多いです。先生が疲れているのに、私たちが質のある教育を受けることは難しいです。」(日本若者協議会「こども国会2021」)


【教師の残業問題の根源=給特法】

 数年前から問題になっているにも関わらず、なぜ教員の労働環境は一向に改善されないのでしょうか
 そこには、ある法律が大きく関わっています。

 公立学校では、平均残業時間が過労死ラインを超える一方、残業代は支払われません
 それは1971年に制定された《給特法》という法律が、公立教員の残業を「自発的勤務」、すなわち「教師が好きで勝手に働いた扱い」としてしまうからです。※3
 この法律は、1966年の残業時間が月8時間程度であったことから、月給4%を支払う代わりに「残業を労働と認めない」「残業代は支払わない」と定めました。

 しかし今や残業は10倍にもなり、そのほとんどは好きでやっているわけではない、「せざるを得ない残業」なのです。
 こうした残業を「自発的勤務」とする給特法は、近年「4%定額働かせ放題」「やりがい搾取」と揶揄(やゆ)されるようにもなりました

 裁判にでもなれば、校長は給特法を盾に「残業は私が命じたものではない」と主張します。
 このように公立学校では、残業の責任者が不在となっているのです。
 過労死でさえも「好きで働き過ぎて亡くなった」とされかねません。

 また、仕事を増やしても追加財源は必要ないですから、膨大な仕事量に見合った「人手」がいつまで経っても配置されないのです
 この法律の下で、本当に働き方改革が進むのでしょうか。
 給特法の見直しは、現に発生している残業をきちんと残業と認めて、管理側の意識を変えるためにこそ必要です


【給特法は「2022年度以降に議論」と約束】

 国は2019年に給特法について一度審議しましたが、「月45時間・年360時間の残業上限を設定する(ただし罰則なし)」や、管理権限を強化する「一年単位の変形労働時間制を導入する」に止まりました。
 残業を自発的とする給特法の根本問題には全く手をつけず、この問題は「2022年度以降に議論」と先送りされたのです。※4

 今年度、国による教員勤務実態調査が行われますが、前回(2016年度)から大きく変わらないような結果が示された場合、いよいよ給特法の抜本見直しを行わなくてはなりません。
 結局、給特法の根本問題を改めない限り、「過酷な労働環境」は劇的には改善されないのです


【求めること:給特法を抜本改善して下さい!】

 公立教員も労働者です。
 すでに立法事実の失われた給特法という特別措置法は大幅に見直し、他の職業と同じように、労働基準法を適用して下さい

●一日8時間労働が守られる
●やむを得ずそれを超えた場合は、残業代等が支払われる

●残業上限は絶対に超えない。超えた場合は管理職が罰せられる

 こういったことを公立教員にも適用してもらいたいという事です

 国立大附属教員・私立教員はすでに給特法の対象外で、労基法が全面適用されています。
 公立教員も給特法なしの運用が不可能であるはずがありません。

 政治家や官僚の皆さん。
 公立学校の理不尽な残業をなくす手立てを講じないと、教員採用倍率はさらに低下し、教師は「誰でもなれる職業」となってしまいます
 それは、教育を受ける子どもたちを不幸にし、ひいては社会全体の不利益につながります
 今ここで改善に向けて大きく舵を切ってもらいたい。
 そのための議論をして頂きたいと、教育現場から切に願います。

 教育は国家百年の計です。
 子どもや孫世代に安定した日本を引き継いでいくため……この署名を読んで下さった皆さん、どうか、署名への賛同をお願い致します

(文責:現職教員 西村祐二)


▼賛同者さんが署名を動画で分かりやすくまとめて下さいました
教育現場の厳しい現状を変えるために署名を集めています。


【署名の主催団体】

給特法のこれからを考える有志の会

【署名の呼びかけ人】五十音順

・宇惠野珠美(教員志望学生)
・内田 良 (名古屋大学教授)
・乙武 洋匡(作家)
・小室 淑恵(株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長)
・嶋﨑 量 (弁護士)
・嶋田富士男(教員長時間労働の被害者家族)
・西村 祐二(岐阜県立高校教諭/筆名 斉藤ひでみ)
・室橋 祐貴(日本若者協議会代表理事)

【賛同人】

・天野 妙 (みらい子育て全国ネットワーク代表)
・伊藤 清隆(リーフラス株式会社 代表取締役社長)
・榎森 耕助(せやろがいおじさん/お笑い芸人/YouTuber)
・大塚 玲子(ライター)
・工藤 祥子(過労死家族/元教員)
・小泉 文明(株式会社メルカリ 取締役会長/株式会社鹿島アントラーズFC 代表取締役社長)
・小林さやか(ビリギャル本人)
・高橋 幸美(過労死家族)
・たかまつなな(時事YouTuber)
・武田 緑 (School Voice Project呼びかけ人/教育ファシリテーター)
・田村 淳 (タレント)
・苫野 一徳(熊本大学准教授)
・西本 武史(大阪府立高校教諭/長時間労働裁判の原告)
・中野 淑子(過労死家族/元教員)
・中原 淳 (立教大学経営学部教授)
・新田 龍 (働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役/ブラック企業アナリスト)
・浜田 敬子(ジャーナリスト)
・広田 照幸(日本大学教授)
・福嶋 尚子(千葉工業大学准教授)
・堀 潤  (ジャーナリスト/NPO法人8bitNews代表)
・本田 由紀(東京大学教授)
・森 克己 (鹿屋体育大学教授)
・渡邉 知和(横浜市立小学校副校長)


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【補足:「給特法の抜本見直し」について私たちの考え方】

●教職調整額を増やすだけの改正はいらない

 今後、残業代の代わりに支給されている「月給4%の教職調整額を増やすだけ」の「小幅改正」が検討されることも考えられます。
 しかしそれでは業務量を抑制する効果は得られず、過酷な労働環境を解決する手立てにはなりません。そうした「小幅改正」は、給特法の抜本見直しとは呼べません。

 そうではなく、以下の3点に立った給特法の見直しが必要です。

(1)それで仕事は減るのか
(2)それで過労死は無くなるのか
(3)それで若者は集まるのか

 またその上で、

●休憩時間の確保
●休日や持ち帰り残業を含む労働時間の把握・管理
●仕事を終えてから次に働き始めるまでに一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」の導入

など、世間の議論や常識に合わせた対策を早急に講じる必要があります

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【主要政党や文科省に提出する要望書を公開しました】

給特法の抜本的改善を求める要望書

【メディアで報じられました】

▼教育新聞 4/28
今度こそ給特法の抜本的見直しを 有志の会が署名を開始

▼中日新聞 5/1
教員働き方改革、現場から訴え 羽島北高・西村さん「給特法改善を」

▼寺子屋朝日(朝日系ウェブメディア)5/2
教師の働き方、生徒に言われた言葉〜西村祐二先生が考える抜本改革

▼Yahoo!ニュース 5/5
教員不足をうむ給特法~子どものためにも改正を!

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トップ画像の1ヶ月残業時間を下記の通り変更しました(2022.7.13)
小学校:95時間30分→97時間50分
中学校:121時間56分→114時間07分
時間の変更は、以下のように計算式を変えた結果によるものです。
●「1ヶ月」を30日換算から、28日(4週)換算に変更した
●残業時間として持ち帰り残業だけでなく、取れていない休憩時間も加えた
●残業時間が過度に多い人を外れ値として除外した

【注】
※1:平均残業時間は調査で明らかになった数字を月換算した(平日20日・休日8日で計算)。以下「学校の業務に関する調査」の概要。●期間:2021年11月20日(土)〜28日(日) 。うち5日間が土日・祝日であり、教員が比較的回答しやすい日程を選定。 ●方法:ウェブ調査 ●対象:①公立小学校の教員、②公立中学校の教員。回答者数は、①466名、②458名(合計で924名)。データは速報値。より詳細な結果は、こちら
※2:「令和2年度公立学校教職員の人事行政状況調査」によると、「教育職員の精神疾患による病気休職者数は、5,180人」となっており、2017 年度以降は毎年5,000人を超える状況が続いている。
※3:中教審「学校における働き方改革」答申(2019年1月)では、「「自発的勤務」は,管理職からの超過勤務命令の下で行っているものではないものの,そのほとんどが,教師が自らの校務分掌等を踏まえて実施しているものであり,それぞれの教師としては業務としてやらなくてはならないものとの意識から行っていることが実態となっている」とまとめている。
※4:2019年12月「給特法改正案」が成立した際、「3年後を目途に教育職員の勤務実態調査を行った上で、本法その他の関係法令の規定について抜本的な見直しに向けた検討を加え、その結果に基づき所要の措置を講ずること」との附帯決議が採択された。

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