「野球の聖地」伝統ある、緑の神宮球場を守ろう!

「野球の聖地」伝統ある、緑の神宮球場を守ろう!

開始日
2023年1月15日
現在の賛同数:38,931次の目標:50,000
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この署名で変えたいこと

署名の発信者 Robert Whiting

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明治神宮野球場(神宮球場)は、東京ヤクルトスワローズの本拠地であり、東京六大学に代表される「大学野球の聖地」としても、多くの野球ファンに愛されてきた球場です。

1926年に竣功した神宮球場は、阪神甲子園球場とならんで、日本野球史のさまざまな場面を彩ってきました。あのベーブ・ルースがプレーした、現存する野球場のひとつでもあり、世界野球史上においても記念碑的な存在だとも言えます。青い空のもと、プレーした選手、歓声をあげた観客の100年の伝統と想いが、この球場にはつまっています。

しかし、その神宮球場が神宮外苑再開発計画の一環として取り壊され、新球場に建て替えられようとしています。その計画は、多くの点で野球ファンの期待を裏切るものであり、ひいては神宮外苑の象徴とも言えるイチョウ並木を危機に陥れるなど、周囲の環境を破壊しかねないものです。

ぜひ実態を知っていただき、署名に賛同をお願いいたします。

発起人 

ロバート・ホワイティング(『菊とバット』著者)  

神宮球場に想いを寄せる市民の会

 

1)超高層ビルが周囲に林立する新球場。野球環境が悪化。

再開発の計画によれば、新球場の周りには190m、185m、80mの超高層ビル群が建設されます。球場そのものにも60mのホテル棟が併設される予定で、ファンが愛してきた、広々とした青空、夕焼け、満月などの景観が奪われます。

高層ビルの谷間の新球場では、強烈なビル風が吹きつけることになり、その風が試合に大きく影響するはずです。高層ビルの日陰となる観客席の居心地も悪くなり、今のように観戦を楽しむことは難しくなるでしょう。まさに野球ファンの期待に反した施設に変貌すると言わねばなりません。

事業者の発表する少ない情報を読み解く限りでは、内野スタンドの奥にホテル棟が建つため、実質的な野球場部分、とくに外野席が圧縮されることが懸念されます。もし野球ファンの熱気がもっともあふれる外野席が縮小されれば、神宮球場で試合を見る歓びは半減し、多くのファンの足が神宮球場から遠のくでしょう。新計画の詳しい情報公開を強く求めます。

2)第二球場と軟式グラウンドが廃止。一般市民が野球から疎外される。

神宮外苑は、プロ野球のためだけのものではありません。アマチュア野球の聖地でもあります。

ところが、この再開発によって神宮第二球場が取り壊されます。また、計6面の軟式野球グラウンド(絵画館前広場)や隣接する室内球技場、バッティング・センターも廃止となり、市民に開放されていたそれらの施設の代替は用意されません。ゴルフ練習場、フットサルコートも廃止です。

五輪の誘致時には、神宮外苑は「誰もがスポーツに親しむ機会をつくる」スポーツクラスターであると東京都は宣言していました。しかし、その実態は商業施設と高級会員制テニスクラブの建設であり、今回の計画は市民からスポーツの機会を奪うことになっています。このように、一般市民が手軽にスポーツと親しむことのできる施設が廃止されることに、私たちは強く異議をとなえます。アマチュアを閉め出す改悪は、神宮外苑創建の精神をないがしろにするものです。

また、絵画館前広場の風物詩ともなっている、スワローズ選手たちのオープングラウンドでの練習風景も失われてしまいます。新計画は、総じて野球から一般市民を遠ざけるものと言わざるをません。

3)アーチ状の「回廊」など、球場の建築的価値をないがしろにしている。

外苑創建の一環として建てられた神宮球場は、聖徳絵画記念館の実施設計者・小林政一によるものです。聖徳絵画記念館が国の重要文化財に指定されているように、アーチ状の美しいアーケード型「回廊」をはじめ、球場そのものが貴重な歴史的文化財と言うべきでしょう。球場回廊の窓枠は絵画館と同じデザインです。商業優先で、神宮球場という歴史的文化財が失われてしまうことを、黙って見過ごすわけにはいきません。

4)神宮外苑のシンボル・イチョウ並木の枯損を招く。

新球場の建設は、神宮外苑との調和を破壊するものです。神宮球場の壁からイチョウ並木の幹までは6メートル程度しかないと推測されていますが、地中に打たれる深い杭が、イチョウの根を傷つけ、水系を絶ち、生育を阻害します。枯れたイチョウ並木の脇に、新球場フェンスがそびえたっていたとしたらどうでしょう。私たち野球ファンは、胸を張って新球場に足を運ぶことができるでしょうか。

なお、秩父宮ラグビー場東入場口にある18本のイチョウ並木は、球場建設予定地にあたるため、移植が検討されていますが、あのような巨木が移植先で生育できる確率は低いと樹木の専門家は警鐘を鳴らしています。新球場建設は、「100年の森」の破壊につながるのです。

5)新球場への建て替えで、膨大なCO2と建築廃棄物が発生する。

神宮球場とほぼ同時期に建設された阪神甲子園球場は、シーズン・オフを利用して改修工事を成し遂げ、歴史と伝統の継承をコンセプトとした大規模なリニューアルを成し遂げました。アメリカのボストンやシカゴでは、さらに古い球場がリノベーションされ、街のシンボルとして愛されています。

環境危機のこの時代には、神宮球場も移転・新築せず、この地でリノベーションすべきです。「グリーントランスフォーメーション」をうたう東京都にとって、それが最善の道のはずです。

 

問題山積みの神宮球場移転・新築計画が、野球ファンに詳細の事実も知らされず、現球場のリノベーションという対案の検討もされないまま、強行されようとしています。いちど失われた歴史的球場、そして神宮外苑「100年の森」は取り戻すことはできません。

緑あふれるこの地は、何世代にもわたって受け継がれてきた「心のふるさと」です。したがって、神宮球場を愛する私たちは、この再開発計画を許すことができません。

一般市民をスポーツから疎外するような神宮外苑再開発計画を見直し、伝統ある神宮球場をリノベーションによって継続使用することを、小池都知事と関連事業者に強く求めます。

 

賛同人 

斎藤幸平(東大准教授・『人新世の「資本論」』著者)  

マーティ・キーナート(東北楽天ゴールデンイーグルスの最初の GM、仙台89ERS(エイティ ナイナーズ)シニア GM) 

 

写真:Wikimedia Commons江戸村のとくぞう

 

 

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