YouTube動画「間抜けなハーフ」について土佐兄弟へ公式の謝罪を求めます #差別は面白くない
YouTube動画「間抜けなハーフ」について土佐兄弟へ公式の謝罪を求めます #差別は面白くない
2022年8月11日、株式会社ワタナベエンターテインメント所属のお笑いコンビ・土佐兄弟が、YouTubeチャンネル「土佐兄弟の青春チャンネル」に「ゆうきのクラスメイト~出席番号10 桐生モーガンリョウタ【TikTok】で10億回以上再生された高校生動画まとめ【高校生ゆうきの日常】」という動画をアップしました。
動画のサムネイルには、「間抜けなハーフ」と書かれており、金髪のカツラをかぶり、マジックペンで鼻を高く見せた土佐兄弟・有輝さんが映っています。
これはアフリカ系を差別的に嘲笑するときに使用する「ブラックフェイス」と同じ手法であり、決して許容されるべきではありません。
土佐兄弟・有輝さん扮する、外国にルーツを持つ日本人・桐生モーガンリョウタが、英語を話すことができないことを明らかに揶揄し、嘲笑する内容となっています。
「外国にルーツを持つ人なら英語が話せるだろう」という勝手な偏見により、期待に応えることができないことで、周囲から嘲笑され、傷ついている人は大勢います。
その心の傷を「笑い」や「再生数」の為にえぐる、人種によって勝手に発生させるギャップや差別は、あたかも面白いことであることのように喧伝することは、断固として見過ごせる行為ではなく、同時に許される行為ではありません。土佐兄弟及び、ワタナベエンターテインメント に対して、想像力があまりに欠如していると思わざるを得ません。
この動画に関して抗議をした外国にルーツを持つ方(Twitter ID:annaPHd9pj)もいました。しかし、その抗議に対して土佐兄弟は、動画を削除し、抗議者をブロックし、抗議に対して黙殺を続けており、そんな動画は存在していないかのように振る舞い続けています。
土佐兄弟はTikTokでは130万人、YouTubeでは44万人の登録者を誇っており、日本の未来を担う若者からの絶大な支持と影響力を持っているお笑いコンビです。そのような影響力を持つお二人が、外国にルーツを持つ日本人を嘲笑し差別する動画をアップしたことに大変な憤りを覚えます。
また、2019年9月、ワタナベエンターテインメント所属のお笑い芸人・Aマッソによる大阪なおみ選手に対しての人種差別発言がありました。このような過去があったのに関わらず、同社所属芸人が再度人種差別的なネタをしました。同社の人種差別に対する姿勢、コンプライアンス、ガバナンスに対して疑問を持たざるを得ません。
憲法第二十一条に有る通り、「表現の自由」は、あまねく誰もに保証されるべき権利であり、市民にとって最も貴重な権利のひとつとして尊重されるべきものです。しかし、その自由は倫理観に依って行使されることは言うまでもありません。
特定の民族や人種、先天的後天的問わず、当事者には如何ともし難い属性の揶揄や嘲笑を、不特定多数へ広く拡散し、助長する行為へのエクスキューズにはなり得ません。
以上のことから土佐兄弟、並びにワタナベエンターテインメント に、公式サイト、公式SNSアカウントにおいて謝罪を求めます。併せて、同社及び同社所属の芸人が人種差別に関してコンプライアンスとリテラシーを得て、このような事が二度と起こらないよう約束することを要求すると共に、以下の質問にご回答いただきたく思います。
1.本事案の動画の内容に関して、ワタナベエンターテインメント は社として承知していたのか。承知していたのならば公開に至った経緯をお聞かせください。
2.承知していなかったのであれば、どのタイミングで動画の内容を確認したのか。
3.動画は削除されていますが、削除の判断は土佐兄弟が行ったのか、ワタナベエンターテインメント が行ったのか。
4.削除した理由をお聞かせください。
5.土佐兄弟YouTube公式チャンネルの管理運営はワタナベエンターテインメント が行なっているのか、土佐兄弟が行っているのか。
6.Twitterにおいて、土佐兄弟のアカウントに抗議を行ったあんなさん(Twitter ID:annaPHd9pj)が、土佐兄弟のアカウントよりブロックをされています。ブロックの理由とブロックに至る経緯をお聞かせください。
7.説明のない本事案の動画の削除・抗議を行ったユーザーに対するブロック等は、ワタナベエンターテインメント 所属芸人・タレントが、SNS運用におけるコンプライアンス教育の一環として得ている知見なのかどうか。
8.ワタナベエンターテインメント社が2019年9月24日付に発信した謝罪文「弊社所属お笑いコンビAマッソのライブ中の発言につきまして」に関連して:
- 「ダイバーシティの尊重が重視される昨今において、Aマッソがライブ中にこれについて著しく配慮を欠く発言を行ったことについて、所属芸能プロダクションとしての監督責任を大変重く受け止めております。」と記載しているが、本事案に関しては監督責任をどのように捉えているか。
- 「今後も継続して、Aマッソを含む弊社所属タレント及び社員のダイバーシティの意識向上の徹底を図っていくように致します。」と記載しているが、その後約3年間、どのような取り組みを行ってきたのか。
- 「タレントによる芸能活動を通じて、社会に広く貢献できる芸能プロダクションを目指す所存です。」と記載しているが、本事案の動画はどのような点で社会に貢献していると考えるか。
9.本事案の動画における表現は差別であると、発信者はじめ多くの方々より指摘をしているところであるが、ワタナベエンターテインメント社として差別であったことを認めるか。
上記の質問に関して、誠意ある御回答をいただけますよう重ねてお願い申し上げます。
株式会社ワタナベエンターテインメント、並びに土佐兄弟のお二人が、この過ちを見つめ、マイノリティに寄り添う仲間として共に学び、立ち上がってくださるように願っています。
以上
協力団体
意思決定者(宛先)
- 株式会社ワタナベエンターテインメント